DMMビットコイン廃業、SBIVCトレードに事業譲渡:日経報じる
暗号資産(仮想通貨取引所)取引所DMMビットコインが、2024年5月に発生した482億円相当のビットコイン(BTC)不正流出を受けて廃業する方針を固めたと12月2日、日経新聞が報じた。顧客資産はSBIグループの暗号資産取引所SBIVCトレードに2025年3月頃に譲渡される見通しだ。 同紙の報道によれば、24年3月期の事業報告でDMMビットコインは45万の顧客口座と962億円の預かり資産を保有しており、これらはすべてSBIVCトレードに移管される。譲渡額は30億~50億円程度になる見込みとされている。SBIVCトレードは約70万の口座を持つ取引所で、SBI証券との連携を通じて顧客基盤を拡大してきた。 ビットコインの不正流出発生後、DMMビットコインはグループ会社の支援を受け、550億円を調達して顧客資産を全額保証。流出したビットコインの買い戻しは6月に完了したものの、一部の取引や新規口座開設などのサービス制限が半年以上続いていた。 9月には金融庁から「システムリスク管理態勢と暗号資産の流出リスクへの対応に重大な問題があった」と業務改善命令を受ける。同社は「厳粛に受け止め、引き続き改善及び再発防止に取り組み、お客様からの信頼回復に努めてまいります」と声明を発表したが、不正流出の原因についてもまだ明らかにされていない。 関連記事:金融庁、DMM Bitcoinに業務改善命令──暗号資産流出、対応に「重大な問題」 また、同グループのDMM Cryptoは11月、Web3事業「Seamoon Protocol」の中止を発表している。独自トークン「$SMP」の発行取り止め、および関連サービスの段階的な終了を決定。同社は10月に資金調達を実施したばかりだったが、「急速な事業環境の変化によりプロジェクトの持続可能性に課題が生じた」としている。 関連記事:DMM Crypto、Web3事業「Seamoon Protocol」撤退を発表──独自トークン発行中止 なお、2日午前9時時点でDMMビットコイン側から本件に関しての発表はないが、DMMグループの暗号資産取引所の廃業と、Web3部門の事業撤退という一連の展開は、同グループの暗号資産分野およびWeb3事業からの実質的な完全撤退を示唆している。 |文:栃山直樹|画像:DMMビットコインWebサイトより(キャプチャ)
CoinDesk Japan 編集部