まるで「ライブ会場のど真ん中」…ストリーミングサービスで起きている「衝撃の立体感」
類稀なる高音質で、話題になったネットオーディオ。しかし、割高な価格とダウンロードのわずらわしさから一部のマニアにしか支持されませんでしたが、高音質定額制配信サービスの出現で、大きく変わろうとしています。 【写真】わりといいかも…「PCで音楽」が、圧倒的な高音質と使い勝手の良さだった ベテランと言われるオーディオ愛好家の中にも、CDやレコードなどの「パッケージメディア(パッケージ音源)」によるオーディオなら知識も経験もあるが、ネットワークが重要になった最近のオーディオに関しては、専門用語の意味もわかりにくいと感じている人もいるかと思います。 はじめてネットオーディオに挑戦するオーディオファンや音楽ファンを対象に、機材の選び方、高音質ストリーミングのセッティング、煩わしいネットの設定などなど、聴き放題の“1億曲ライブラリー”を手にするノウハウをご紹介しましょう。今回は、ストリーミングサービスで起きている衝撃の立体音場「空間オーディオ」をご紹介します。 ※この記事は、『ネットオーディオのすすめ 高音質定額制配信を楽しもう』の内容を再構成・再編集してお届けします。
高音質以外の注目のサービス「空間オーディオ」
インターネットを利用する音楽配信の分野では、高音質配信以外にも新たなサービスが広がり始めています。 その一つである「空間オーディオ」は空間オーディオは音が3次元に広がる立体音響技術を利用した再生方法の一つで、映画だけでなく音楽でも身体を包み込むような臨場感の再現を狙っています。 高音質ストリーミングの一形態として音源が急速に増えており、新たな潮流になってきました。定額制動画配信は画質と音質にこだわる音楽ファン向けの有料サービスのことで、無料動画では見られないコンサートのライブ映像やアーカイブを高品質で提供しています。
空間オーディオとは
前後左右に複数のスピーカーを配置するサラウンド再生は劇場と家庭用の映画音響ではおなじみですが、1970年前後に登場した4chステレオ以降、音楽再生でも複数の方 式が提案されてきました。物理メディアとしては、サラウンド音声を収録したスーパーオーディオCD(SACD)が現在も販売されているほか、Blu-rayディスク(BD)に音声を中心に収録するBDオーディオというメディアもあります。 SACDは5.1チャンネル、BDオーディオは7.1チャンネルまで収録できるため、それらの音源を立体感豊かに再現するためには、左右フロント・センター・左右リア(+左右サラウンドバック)・サブウーファーというスピーカー構成でサラウンドの再生システムを組むことになります(サブウーファーは再生音域が低域に限られるため、0.1チャンネルとして表記)。 一方、音楽配信で「空間オーディオ」と呼ぶことが多い録音・再生方式は、映画用にドルビーが開発した「ドルビーアトモス」や、音楽コンテンツ向けにソニーが開発した「360 Reality Audio」に代表される新しい立体音響技術を用いています。 これらの技術は水平方向に広がる従来のサラウンド音場に加えて、高さ方向の情報を再現できることが特長です。ライブコンサートの雰囲気を忠実に再現したり、楽器や声を任意の位置に配置して上下左右に動かしたりなど、作り手の意図に沿った自由な空間表現ができるようになりました。
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