40歳以上の女性たちが求めるのは、より直接的で実用的なアプローチ: ロレアルパリ やローラゲラーの事例
女性のキャリアに焦点を当てたロレアルパリのキャンペーン
成熟した女性の日には、高級化粧品ブランドのロレアルパリ(L’Oréal Paris)も「ウォースイットレジュメ(Worth It Résumé、価値がある履歴書)」というキャンペーンをローンチし、ブランドアンバサダーとして女優のヘレン・ミレンやエバ・ロンゴリア、ジェーン・フォンダ、アンディ・マクダウェル、ケイト・ウィンスレット、アジャ・ナオミ・キングをフィーチャーしたが、このなかでもっとも若いのは39歳のキングだった。 ロレアルパリのキャンペーンは、女性のあいだでの知名度を高めると同時に、女性がキャリアで成功していると感じるために避けて通れない極度のプレッシャーについて話し合う機会を提供することにフォーカスしている。このキャンペーンはロレアルパリのブランド構築の取り組みで、製品や成分については言及されていない。先にあげた女性たちがLinkedInのプロフィールに失敗談を追加し、いかに挫折が成功につながるかを強調した動画や画像が中心となっている。
効能に関する直接的なメッセージを求める女性たち
しかし、美容キャンペーンの認知度が高まり、成熟した女性の表現方法に関するレトリックが変化しているにもかかわらず、ミンテルのキッツミラー氏は、40歳以上の女性の半数以上が広告で発信されている新たな「プロエイジング(加齢促進)」というメッセージに対して複雑な感情を抱いていると指摘した。彼女たちは「加齢に関する表面的な言葉の変化ではなく、効能に関する明確で直接的なメッセージの発信と、自分の年齢に合わせて設計された製品を求めている」という。 化粧品化学者でスキンケアブランドのビューティスタット(BeautyStat)の創業者であるロン・ロビンソン氏によると、成熟世代の顧客の最大の悩みは、深いしわ、ほうれい線、肌のハリが失われること、たるみ、シミだという。同氏は、研究開発において高濃度のビタミンC、レチノイド、ヒドロキシ酸、ペプチドを使い、これらをターゲットとしている。 「我々の調査で、これらの肌悩みが成熟した女性にとって最大の懸念事項であることがわかった」と、ロビンソン氏は米グロッシーに語った。「この肌悩みに対する公式化されたベストプラクティスや特効薬はない。本当に必要なのは実験とテストだ」。 ビューティスタットのリンクルリラクシングモイスチャライザー(Wrinkle Relaxing Moisturizer)がベストセラーになったのは、その効果について成熟世代の女性に語りかけたためだという。「ほとんどのブランドがソーシャルメディアでZ世代やミレニアル世代を賛美しているなか、当社のソーシャルメディアとウェブサイトでは成熟した女性にスポットライトを当てた。これにより、多くのエンゲージメントが生まれた」と同氏は述べた。「その結果、多くの消費者が当社の保湿剤についてさらに詳しい情報を求め、購入するようになった」。 「このパワフルな世代の女性を獲得する機会はまだ残されている」と、ミンテルのキッツミラー氏は述べた。「美容とパーソナルケアに関して決まった習慣やルーティンを確立しているかもしれないが、それでもまだ、肌の健康と見た目を改善する方法を探している」。 [原文:Beauty & Wellness Briefing: How brands are successfully reaching women over 40] LEXY LEBSACK(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
編集部