日清食品チルド ブランド商品が好調 「価値訴求で需要創出へ」
日清食品チルドは、チルド麺のさらなる品質向上と価値訴求の強化で新たな需要の創出を目指す。 今秋は賞味期限60日間の「行列のできる店のラーメン」シリーズに、フライパン一つの簡単調理と本格的なおいしさを両立させた新シリーズを投入するほか、かつてカップ入り生タイプうどんで大ヒットした「日清のごんぶと」ブランドを湯切りタイプのチルド麺として7年ぶりに復活させる。近年は「チルド 日清焼そばU.F.O.」や「日清Spa王」喫茶店シリーズなどブランド商品が販売好調で、勢いに拍車をかける。
「チルド 日清焼そばU.F.O.」好スタート
このほど24年秋冬向けの新商品発表会を開き、伊地知稔彦社長は基本方針について、「物価高の中で生活者の選択眼が厳しくなっている。当社は品質で差別化できる技術力と、それをしっかりと訴求するマーケティング力の両方を一層向上させていく。既存品の進化、他社が真似できない機能性の付与、市場にない商品の開発を追求していきたい」と語った。 今春夏の販売動向は、新商品「チルド 日清焼そばU.F.O.」が2食焼そばカテゴリーで市場シェア約1割を獲得する好スタートを切り、賞味期限を60日間に延長した「行列のできる店のラーメン」冷しシリーズは配荷が拡大、「日清Spa王」喫茶店シリーズと「日清のそのまんま麺」シリーズは二ケタ増ペース。 秋冬商品の開発方針は延安良夫取締役マーケティング部長が説明。市場拡大を図るため①チルドラーメンのコスパ訴求②若年層ユーザーの獲得③賞味期限延長の拡大――を推進する。 ①では「行列のできる店のラーメン」を中心に店頭でアピールし、外食の代替需要を狙う。 ②は「つけ麺の達人」「麺の達人」などが40代以下からも広く支持されており、ブランド商品をさらに強化する。 ③の賞味期限延長は同社が最も注力する施策の一つ。昨秋60日間に延ばした「行列のできる店のラーメン」は、店頭での見切り率が賞味期限20日間の時と比べて約10分の1に大幅減少、食品ロス削減に寄与している。