虎の“ミスターオクトーバー”福留がマエケンに引導!
ポストシーズンの戦いまで和田監督が見据えていたかどうかはわからない。だが、信頼に答えた福留が、“ミスターオクトーバー”として今、阪神の切り札となっていることは確かである。これが野球は筋書きのないドラマと呼ばれる所以であり、底知れぬダイナミズムである。 甲子園での対広島戦に防御率、0.00を誇るメッセンジャーは、その記録をまた更新して、オ・スンファンにバトンタッチして完封リレー。福留の1点が決勝点となった。 阪神のCS挑戦は、これが5度目となるが、過去に一度もファーストステージさえ突破経験はない。まだCSの歴史は浅いが、過去にファーストステージの初戦を勝ったチームのファイナルへの進出確率は94%。初戦に勝ちながら逆転負けした例は2009年のヤクルトしかないのだ(対中日)。しかも、明日の先発予想は能見で、“プレCS”としてこの1日の広島戦に先発し、6回を1失点に抑え勝利投手となっている。 「去年、同じ広島に2つでやられているので、明日勝って2つで決めたいと思います」 福留はそう言った。 一気に決めてしまいたい。それはベンチに一体感の出てきた全員の願いでもある。