偏差値45から“超優良成績”で東大合格。親からの教え「30分以上勉強するな」が効果的だったワケ
―[貧困東大生・布施川天馬]― 東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。多くは、幼少から塾に通い名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」です。しかし、一部には、まったくエリートらしからぬ道筋をたどった方もいます。 今回お話を伺うのは、現在会社を経営している神田直樹さん(25)。彼は、東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職。1年で退職した後、株式会社Overfocusを起業。現在は国語専門塾「ヨミサマ。」を展開するなど、教育事業に携わります。 ⇒【写真】主席と3点差に迫った”超優良”な得点開示表 「マッキンゼーを経て起業」とだけ聞くと、絵にかいたようなエリート人生を想像するのではないでしょうか。ですが、彼はいわゆる進学校の出身ではありません。通信制高校から、1年間の浪人を経て、塾に全く通わず東大に合格した傑物なのです。 彼はどのようにして、塾なし、通学なしの環境から東大に合格したのでしょうか。今回は、「もともとゲーム三昧の日々を送った」と語る彼の逆転勉強法を伺います。
「東大に行くために通信制高校を選んだ」のに毎日ゲーム三昧
「東大に通うための勉強時間を最大化するために、イベントや通学時間がない通信制高校を選択しました。もちろん、みんなのように高校に通って、文化祭などのイベントを楽しみたい思いもあったので、苦渋の決断でした。 やる気はありましたが、実際に勉強しようとなると、なかなか手につかない。それよりもゲームが楽しかったからです。学校に通っていたころは強制力があったので勉強していたのに、学校に通う必要がくなってからは毎日ゲームしかやらなくなりました。高校入学から半年以上、この状態が続きました」 勉強よりも、遊びのほうが楽しいし、行動にかかる負荷が低い。これは当たり前のことです。彼の場合は、やる気こそあったものの、それだけで「勉強し続ける自分」が維持できなかった。「やる気がある」だけでは意味がないのです。
偏差値75から45まで下がった
「1年生の12月に、初めて模試を受験したんです。日本人の高校生がみんな受けるような模試でした。ここで、偏差値45を取ってしまった。これまで受けた帰国子女向けの模試では、偏差値75を取ったこともあったので、これはショックでした。自分は、自分が考えているよりも勉強ができないと、面と向かって突き付けられた」 本当は、日本の高校に通って、学園祭に参加したかったし、友達と夏祭りにも行きたかった。それらを蹴ってまで通信制高校に入ったのは、「東京大学に入る」目的があったからです。しかし、今の自分では東大に入るなんて、夢のまた夢。 普通ならここで諦めているところですが、彼の場合は、もともと背水の陣で挑んだ勝負であったこともあり、逆に覚悟が決まりました。「東大しか受けない」覚悟をもって挑んでいるのだから、自分にはやり切る道しかない。 そう考えた神田さんは、さっそく生活の改善に取り掛かります。