【フットサル日本代表】寡黙なファイターが味わった“U-20の敗北”から7年、奪還する誓い「あの時結果が出せなかった分、僕たちの年代がもっとやる」(伊藤圭汰/ペスカドーラ町田)
9月13日、高橋健介監督が就任してから初めての活動がスタートした。代表チームは13日のみ国内でトレーニングを行い、14日からキルギスへ移動。同国代表と2試合の国際親善試合を戦う。 【映像】新生・日本代表“健介ジャパン”初日トレーニングの様子 新体制の始動と初の対外試合を前に、「結果」への意欲を示したのが、ペスカドーラ町田のキャプテン・伊藤圭汰だ。その理由は、二つある。 その一つが、対戦相手のキルギス代表だ。2019年から4年間にわたって町田の監督を務めたルイス・ベルナットがチームを率いるだけに、恩師と再会する舞台で、自らの成長を示すことがモチベーションになっている。 もう一つは、「代表」への思いだ。伊藤は4月に行われたアジアカップのメンバーに選ばれなかった。木暮賢一郎前監督の下では、追加招集を含め、2023年に2回メンバー入りした。しかし、W杯出場権を懸けた大会に出場することは叶わず、チームはグループステージで敗退。伊藤自身、大きな悔しさを味わった。 失意の代表チームから再起を図る今、新始動したメンバーは、伊藤にとって馴染み深い顔ぶれでもある。清水和也や石田健太郎、樋口岳志は、2017年にU-20フットサル選手権を戦ったメンバーだ。当時、アジアで初めて行われたアンダーカテゴリーの大会で優勝が期待されるなか、準々決勝でイラクに敗れて敗退。当時も悔しさを味わった。 悔しさを共有する“同期”と迎える新スタートは、伊藤が「この年代でもっとやる」と意気込むのに十分だ。新生・日本代表では当然、主軸としてメンバーに定着することを目指していく。 キルギス遠征前の国内トレーニングを終えた伊藤に話を聞いた。
日本はアジアでトップにならないといけない
──監督が変わって初めての活動ですが、チームの雰囲気はどうですか? 雰囲気はすごくよくて、今日もしんどかったですが、皆んなで声を掛け合いながら、いい練習ができました。 練習前に監督からもミーティングで話がありましたが、ここからまた再スタートを切って、みんなで頑張っていこうという空気があるのかなと思います。 ──具体的にはどんな話が? 戦術の細かい話の前に、「日本代表とはどうあるべきか」という話しをしていました。このエンブレムを背負うことの責任はすごく大きいし、その責任に対して気持ちを込めてプレーをしてほしい、と。僕たちは今回のワールドカップに出場できていないという現状もあるので、もっとやらないといけない。そういう話しをしたこともあって、今日の練習の雰囲気につながったと思います。 ──高橋健介監督はこれまでも関わりがあったと思いますが、どんな人柄だと感じていますか? コーチという立場でこれまでは一緒に活動をさせてもらってきましたが、本当にわかりやすく、プレーのこともそれ以外のことも優しく教えてくれる方です。 ──新体制始動のタイミングで招集されたことの気持ちは? もちろんうれしかったですが、ここからがスタートです。これからどんどん結果を出さないといけない、という気持ちが強いです。 ──どういうところをアピールしたいですか? フィクソですが運動量も自信があって、攻撃にも守備にも顔を出して色を出してアピールしていきたいです。 ──どういった自分の強みをアピールしたいですか? 得点に部分で課題がたくさんあると思います。個のクオリティをもっと上げて誰が出ても点を決められるように。今日は守備の話が多かったですが、強度高く相手に何もやらせないディフェンスも求められています。ただ、攻守どちらにせよ個のクオリティを高めることが一番大事だと思います。 ──キルギスの印象は? 映像でしか見たことはないですけど、アジアカップで日本が相手だし、監督は町田の元監督です。そういう意味で、日本のこともよく知っているので難しい相手になりますが、日本はアジアでトップにならないといけないので、必ず勝たないといけないと思います。 ──地元が一緒の樋口岳志選手も久しぶりに代表に復帰しましたね。 一緒にプレーするのは、U-20の選手権ぶりですね。同じ北海道出身だし、同世代なのですごくうれしいです。 ──2017年のU-20代表のメンバーが、少し増えていることもうれしい? そうですね。2017年のアジア選手権もタイトルを取れず、そのあとタケ(本石猛裕)の世代は優勝もしています。あの時結果が出せなかった分、(清水)和也くんも含めて、僕たちの年代がもっとやらないけないので、頑張りま