開放型+ノイキャンの「AirPods 4」は低音と空間オーディオが強烈!これは面白い!
■開放型ゆえに気になる音質は…
では音質もチェックしていきます。新製品のアップデートとしてドライバーユニットも上位機種の「AirPods Pro 2」に近いものへと刷新。ハイダイナミックレンジなアンプを搭載しています。 Apple Musicでサム・スミス&宇多田ヒカルの新譜である『Stay With Me』を聴いてみると、「AirPods 4 ANC」の音質の凄みがよく分かります。リズムの刻みにディープに深みある重低音を取り入れた楽曲が、頭の周りで叩きつけるような空気感で再生されます。シンバルやタンバリンの高域もシャープに再現。宇多田ヒカルとサム・スミスによる歌声もムーディに広がります。 エド・シーラン『Shape of You』でも、男性ボーカルの聞こえる位置が近く、センターからサイドへと移動する定位の再現も丁寧。リズムの音の立体感、アコギの音の歯切れ良さと高域の再現が強力。空間オーディオではない楽曲でも音を空間上に展開してワイドレンジに再生する、そんな狙いがよく分かります。 Dolby Atmosによる空間オーディオで配信中のエド・シーランの『You Need Me I Don't Need You』では空間上にダイナミックに配置された音源の遊びが強烈。ボーカルをセンターに定位させながら、音の迫力や余韻を前後方向の位置で再現します。 「AirPods 4 ANC」が得意とするのは、重低音と空間的な再現性。これが音楽リスニング体験として“面白い”ということは間違いありません。 そして「AirPods 4 ANC」では通話マイクにも新機能“声の分離”も利用できるので、テストしてみました。 ビデオ会議で自分の通話マイク音質を収録して確認してみます。 AirPodsシリーズ従来機種と同様に、声を拾う音質はクリアで通話性能の良さは文句ナシ。そして、屋外レベルの騒音を流してみても通話マイクは全く拾わないレベルでの効果を確認。“声の分離”込みの通話マイク性能の良さは本物です。 アップルによる最新ノイズキャンセル搭載の完全ワイヤレスイヤホン「AirPods 4 ANC」。オリジナルのAirPodsが2016年の登場以来、採用している開放型スタイルによる快適な装着感はそのままに、ノイズキャンセルも外音取り込みも対応とワイヤレスイヤホンの新スタンダードを示したことがポイント。音質については、特に重低音と空間再現という方向性を示しています。 iPhoneユーザーにとって「AirPods 4 ANC」が定番というだけでなく、今後のワイヤレスイヤホンにとっても新基準を決める1台となっていくでしょう。
<取材・文/折原一也>