養子の娘に暴行を加え死亡させたとして傷害致死などの罪に問われた男性の裁判。１１月２８日、大阪高裁は１審判決を覆し逆転無罪判決を言い渡しました。 　１１月２８日午前１０時半、大阪高裁で出された「逆転無罪」の判決。今西貴大被告（３５）は２歳の娘を虐待し死亡させた罪などに問われ、一審では有罪判決が下されていました。 　（今西貴大被告）「今ちょっと頭真っ白です。でもすごくうれしいし、ホッとしています」 　判断が大きく変わった理由とは…。 　２０１７年９月に結婚した今西被告。妻（当時）の連れ子だった希愛ちゃんを養子にし、よく面倒を見ていたといいます。ところが、その年の１２月、自宅で希愛ちゃんの容態が急変します。 　（今西貴大被告）「両手の中で一気に状態が変わったから。心臓マッサージをした時も覚えているし、救急車に乗ったことも覚えています」 　１週間後、搬送先の病院で希愛ちゃんは亡くなりました。約１年後、今西被告は警察に逮捕され傷害致死の罪などに問われることに。 　一貫して無実を主張しましたが、２０２１年、１審の大阪地裁は「心肺停止の原因は脳の損傷で被告が強い外力を加えたとしか考えられない」として、懲役１２年の有罪判決を言い渡しました。今西被告側は即日控訴しましたが、拘置所の独房に勾留され続けました。 　そんな中、始まった控訴審。今年７月には、大阪高裁は今西被告の保釈を決定。無罪を主張している被告が控訴審で保釈されるのは、極めて異例のことでした。 　そして、判決の日。大阪高裁は「１審判決は（検察側証人の）医師の証言の信用性や証明力の限度について十分な検討を尽くしたとは言えない」と指摘。希愛ちゃんの頭部の表面に外傷がなかった点なども重視し、「１審判決は論理の飛躍がある」などとして、逆転無罪判決を言い渡しました。 　判決後、今西被告は… 　（今西貴大さん）「希愛が亡くなって、僕が逮捕されたことで幸せな生活の全てが破壊されました。判決の主文は無罪でしたが、僕は無実です。独房で過ごした５年半、くじけずに闘い続けて良かったと実感しています」