2031年で“創立100周年”…「タイヤ事業」以外にも積極的に事業展開を続けるブリヂストンが目指す“企業の形”とは?
◆さらなる安全を顧客へ…ブリヂストンのDX
続いて、ブリヂストンのDX(デジタルトランスフォーメーション)について伺います。花塚さんによると、タイヤ作りにコンピューターを取り入れ始めたのが1980年前後。そして、2000年頃にコンピューターを使って材料開発効率を高める“マテリアルインフォマティクス”を導入します。 その後、ソリューション事業を会社の軸とする方針が打ち出され、2017年には、花塚さんが所属する「デジタルソリューションAI・IoT企画開発部」の前身となる組織が創設。「そこからソリューション事業にデジタルの力を活用し、より高度化してお客さまに価値を提供していくことが始まりました」と語ります。 さらには「タイヤの使い方って意外とノウハウがあり、使い方によって寿命が延びたりするんですね。これまでは、そういった説明を技術サービスの方々が、現場でお客さまと相対しながらしていましたが、これをたくさんのお客さまに展開するために、リアルで培ってきたモノの良さ、知見と新しく出てきたデジタル技術を掛け算することで、ブリヂストンにしかできない独自のソリューションサービスができる。ここが1つのポイントになっています」と補足します。 そして、ブリヂストンならではのデータサイエンスについても言及。「乗用車が時速60km/hで走ると、タイヤは1秒間に大体10回ほど回転します。そこまで高速回転しているものからデータを取り出すのは難しいですが、最近、我々の独自技術でタイヤから温度と空気圧が分かるセンサーが開発されてきて、それを今、実用化しています」と胸を張ります。 また、そのデータを独自のプラットフォームで分析できる環境も構築しており、「その環境が整備されたおかげで、例えば、空気圧が少しずつ下がってきたときに“これはパンクじゃないか?”というのを正確に検知できるようなシステムであったり、最近では、タイヤのデータとそのほかの(車両に関する)データを組み合わせることで、より価値の高い情報やサービスをお客さまに提供できるようになってきました」と花塚さん。 そして将来的に、それらのデータを用いて、より安心・安全な乗り物を提供することを目指していると話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」8月10日(土)放送より)