古都に広がるモミジの「雲海」、川端康成ゆかりの映えスポットも…京都で紅葉ピーク
師走に入った古都で紅葉がピークを迎えた。猛暑の影響で例年より色づきが遅れたが、このところの冷え込みで一気に染まった。(川崎公太、渡辺恭晃) 【写真】色づいた紅葉が渓谷を埋め尽くす東福寺境内。通天橋(左)からの眺めはまさに絶景だ
紅葉の名所として知られる東福寺(京都市東山区)では、イロハモミジなど約2000本が真っ赤な「雲海」のように連なり、境内の通天橋から望む人たちでにぎわっている。
通天橋・開山堂の拝観は高校生以上600円、小中学生300円。寺では、国宝の三門と龍吟庵の特別公開(別途拝観料が必要)も8日まで行っている。
嵐山の染色アートギャラリー「嵐山祐斎亭」(京都市右京区)でも、モミジが円窓を染め上げるように広がり、写真映えすると人気を集めている。
嵐山祐斎亭は、築約150年の元料理旅館で、文豪・川端康成が「山の音」を執筆した場所としても知られる。約20年前、染色作家の奥田祐斎さん(74)が譲り受け、2020年秋から一般公開を始めた。
室内の机の天板に景色が映り込む様子がSNSなどで広まり、世界中に知られるようになったという。昨年までは中国の訪日客が多かったが、今年は欧米からの観光客が目立ち、熱心に写真に収めている。
横浜市から夫婦で訪れた女性(80)は「窓と机に二重に広がる紅葉がすばらしく、癒やされた」と喜んでいた。
見頃は10日ごろまでで、事前予約が必要。見学料2000円。木曜休館(26日から来年2月までメンテナンスのため休館)。