負債額は約461億円…船井電機が破産手続き、新体制で再建果たせず
船井電機(大阪府大東市)は24日、東京地裁から破産手続き開始の決定を受けた。帝国データバンクによると2024年3月末時点の負債額は約461億円。船井電機は10月に社長交代を明らかにし、新体制による経営計画を早期に公表するとしていたが、経営再建は果たせなかった。 同社は1961年に設立された。創業者の船井哲良氏が51年に始めたミシンの卸問屋を源流とする。59年にトランジスタラジオの生産を始め、60年代からテープレコーダーなどのAV(音響・映像)機器、80年代にはビデオデッキやテレビに参入した。フナイ・プロダクション・システム(FPS)生産方式によるコスト競争力のあるモノづくりを強みとし、OEM(相手先ブランド)生産事業を中心に海外で事業を拡大した。 北米では小売り大手のウォルマートなどにテレビを販売し、高いシェアを確保。2007年3月期には連結売上高3967億円を計上したが、その後は中国企業などとの競争が激化し、業績が悪化。21年に秀和システムホールディングス(当時)に買収され、同年8月に上場廃止した。