中国株は大幅上昇 アジア・マーケット動向の振り返りと見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント】
中国<金融市場動向>
⇒株式はもみ合いへ、人民元は安定へ、金利はもみ合いへ 【株式市場】 ◆中国政府による政策支援により大幅上昇 中国人民銀行が銀行の預金準備率や主要政策金利を引き下げたことが好感されたようだ。また低迷する不動産市場を受け、既存の住宅ローンの借り入れ金利の引き下げや、住宅購入に関する規制緩和策を示したことも指数の押し上げ要因となったとみる。これらに加え、株式市場を支援する目的で、株式安定化基金の創設などの流動性供給方針を示したことも好感されたとみる。投資戦略においては、引き続き構造的な成長分野の有力企業、政策のサポートを得ている企業、国際競争力のある企業、増配が期待される企業に着目し、ツーリズムや高齢化関連、環境関連や工場自動化などが長期目線では有望視できそうだ。 【為替・債券(国債)市場】 ◆人民元は安定へ 9月下旬以降、米ドルが反発したことで、オフショアでは人民元の対米ドルレートは下落した(オンショアは国慶節休暇で休場)。米国で年内追加利下げ観測が残っていることから米ドルは緩やかに下落するとみられ、人民元の対米ドルレートには上昇余地がある。一方、政府は元高の行き過ぎも警戒しており、必要に応じて元売り介入などを行い、元安定に努めるだろう。米ドルや原油価格が予想外に強含む場合には、元安リスクに留意したい。 ◆債券利回りはもみ合いの展開 中国では、月前半は人民銀行の金融緩和的な姿勢や軟調な中国景気に焦点が当たる中、利回りに低下圧力がかかった。一方、後半には政府が景気刺激策を発表し、財政拡大期待を背景に利回りには上昇圧力がかかり、利回りは前月から概ね横ばいとなった。目先は、具体的な景気刺激策の内容と規模に焦点が当たることによるリスクセンチメントの改善が利回りの上昇圧力となるものの、景気回復の鈍さとともに緩和的な金融政策の継続に変化はないことから、中国国債利回りはもみ合いの展開を予想する。
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