【速報】「懲役16年」有罪判決 大阪・羽曳野隣人殺害事件 大阪地裁 捜査機関が有罪立証のもととした「ドラレコ映像」は「被告と犯人の特徴合致すると評価できない」判断示すも
6年前、大阪府羽曳野市で「隣人トラブル」を発端に、男性を殺害した罪に問われた男に対し、大阪地方裁判所は懲役16年の判決を言い渡しました。 山本孝被告(48)は6年前、大阪府羽曳野市で会社員の平山喬司さん(当時64歳)を刃物で刺して殺害した罪に問われています。 逮捕前から一貫して無実を訴えてきました。
有罪か冤罪か。注目された裁判を傍聴しようと、大阪地方裁判所には64席の傍聴券求めて184人が列を作りました。
殺害された平山さんの死因は、司法解剖の結果、出血性ショック死で、傷は1カ所のみでしたが、刃物は肋骨と肋骨の間をすり抜け、心臓に達していました。 交際相手を家に送り届け、近くの駐車場に車を止めた後、起きた事件でした。
■「犯人映るドラレコ 捜査幹部「画像は悪い」
目撃者や凶器が見つからない中、捜査を大きく動かしたのが、犯行の前後を映した現場周辺のドライブレコーダーの映像でした。 当時の捜査幹部は…。 【事件当時の捜査幹部】「『やった。いいの見つけたな』って。ただ、画質は悪いよね。鮮明化には限界があるから、他の捜査と相まって容疑性を高めていかないといけない捜査になる」 警察は、周辺の防犯カメラなどに事件前後、住宅街に出入りした住民以外の人物が写っていなかったことから、犯人を近隣の住民に絞り込みます。
■ドライブレコーダーの映像から浮上 「『なんとなく似ている』でされたら迷惑」
そして事件から1週間後、捜査線上に浮上したのが、ドライブレコーダーに映る犯人と体型が似ていて、平山さんの交際相手とトラブルのあった山本孝被告(48歳)でした。 2018年5月、逮捕前の被告はこのように話していました。 【山本孝被告】「とりあえずやってもないし、家なんかもガサ入れ(家宅捜索)入ってしばらく1カ月たちますけど、当然証拠なんて、やってもないから出るわけない。警察が『映像見る限り、なんとなく似ている』とか言ってましたけど、なんとなくであそこまでされたら、こっちはすごく迷惑!」 事件から4年後の2022年になって、山本被告は逮捕されます。 検察は、ドライブレコーダーに映る犯人と山本被告の体形が似ていること。さらに、山本被告が隣に住む平山さんの交際相手と、植木鉢の置き方をめぐり、たびたびトラブルがあったことから「殺害動機もある」と判断し、状況証拠を積み上げ、殺人罪で起訴していました。
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