【速報】「懲役16年」有罪判決 大阪・羽曳野隣人殺害事件 大阪地裁 捜査機関が有罪立証のもととした「ドラレコ映像」は「被告と犯人の特徴合致すると評価できない」判断示すも
■異例の裁判 検察側の「ストーリー」は
裁判員裁判は逮捕からさらに2年後のことし6月に始まり、3カ月以上にわたって開かれ、検察側が求めた15人もの証人尋問が実施されました。 検察側が立証しようとしたのは、「隣人トラブルで恨みを持っていた山本被告は、自宅の前から駐車場にいた平山さんを監視。車を降りたのを確認してから現場に向かい、タイミングよくすれ違いざまに殺害。その後、帰宅した」というものです。 実際に平山さんが車から降りた直後に、山本被告の隣の家のセンサーライトが点灯。その30秒ほど後に、事件が起きたのです。 こうした監視ができたのは、この家に住む山本被告以外にありえないと主張しました。
■弁護側は検察側の「ストーリー」に反論
しかし、弁護側はこうした検察の“ストーリー”に真っ向から反論。 そもそもドライブレコーダーの映像は、顔の識別ができるような画質ではないと指摘し、さらに、検察が「住民の犯行」と判断した根拠となる住宅街への侵入口は、カメラに映る3カ所のみという点についても、防犯カメラなどに映らずに出入りできる道があると反論しました。 この点について検察側は、法廷で弁護側が指摘したカメラに映らない道は認めたものの、「暗くて歩くには不自然」と主張していました。 また弁護側は、検察の立証で、山本被告が家から現場に向かった時に点灯したとされるセンサーライトが犯行現場に向かう時に点灯したならば、家に帰ってきた時にも点灯するはずが、それは確認されていないと指摘していました。
■法廷で「僕はやっていません」 「言いたかったのはそれだけ」と面会に応じた山本被告
そして検察側は「1つ1つの証拠では山本被告の犯行といえないまでも、総合的にみて山本被告が犯人である」とし、懲役20年を求刑。 弁護側は無罪だと訴え、最後に法廷で言いたいことを聞かれた山本被告は「私はやっていません」と2度、力強く述べました。 判決を前に、山本被告は何を思っているのか。大阪拘置所を訪ねました。 Q.3カ月の裁判を振り返って、思うことはありますか? 【山本孝被告】「長かったし、しんどかった。『それが証拠?それでよく起訴できたね』っていうのが本音です。勝てると思うけど、もしかしたらって思うと、正直怖くて眠れません」 法廷で最後に、「僕はやっていません」とだけ述べた理由について聞くと…。 【山本孝被告】「僕が言いたかったのは、それだけだったので」 決定的な証拠のない裁判で下されるのは、有罪かそれとも無罪なのでしょうか。
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