50歳山本昌は引退か現役続行か
中日の和田、オリックスの谷、横浜DeNAの高橋尚……名のあるベテラン選手の引退報道が相次ぐ中、50歳のプロ野球選手、中日の山本昌の去就が注目を集めている。進退については、落合GMから「自分で決めろ!」と預けられているという。それは、球団の来季も現役続行の許可とも取れるし、“こっちが言わなくてもわかるだろう”の暗黙の了解を求めているとも取れる。 山本昌は、まだ自らの考えを表明はしていないが、「来年もやりたい」が本音だろう。今春キャンプで「普通に考えたら、そう(引退)だろうが、自分から(引退を)口にすることはない。来季もやらせたいと思う結果を出したい」と語ってきた。 今季は順調にキャンプを過ごしたが、3月3日の教育リーグのソフトバンク戦で、1球を投じたときに右膝に異変を訴えて降板。そこから長いリハビリを経て、ファームで7試合に登板、結果を残して、8月9日のヤクルト戦に今季初登板のチャンスが巡ってきた。だが、今度は、わずか22球で1回投げただけで降板した。腕を振った際に指が体に当たって左手の指を突き指するという考えられないような怪我。現在もリハビリ中で、今季は登板できないままシーズンを終えそうである。 最年長勝利の世界記録は、ジェイミー・モイヤーがコロラド・ロッキー時代に作った49歳6か月。山本昌が勝てば、それがイコール世界記録となるのだが、現役続行するとなれば「記録のためだけにもう1年やるのか」、「投げて指を突き指するようじゃ、もはやプロ野球選手じゃない」という厳しい批判の意見もある。 山本昌は引退すべきか、それとも、現役続行すべきか。 巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏は「あれだけの功労者。絶対にむごい辞め方はさせるべきではない。本人に、やるという意志があるなら、来年もやるべきだし、本人が、引退と決めれば、花道を用意すべき」という意見。中日時代の同級生で、評論家の与田剛は、こんな意見を持っている。 「登録選手の枠の問題、編成上の問題、戦力としての計算などがあるので、球団、現場の首脳がどう考えるかで、そのあたりの事情はわかりません。私もそこに意見を出す立場にもありません。ただ、報道されているように山本昌が、落合GMから進退を一任されているのであれば、やるべきではないでしょうか。 おそらく記録だけのために、そんな無駄な給料を払ってどうするんだ?戦力になるわけない、など、様々な批判が出ると思います。私も見ていて、もう無理でしょうと思うなら引退を勧めます。でも、十分に戦力になれる可能性を感じるんです。山本昌が現役続行を決断したのならば応援したいと考えています」 与田氏が、現役続行に賛成する理由は、おおまかに4つだ。 1、まだ勝てる力がある。 2、利己的でなくチーム貢献、優勝を考えている姿勢 3、興行的に集客能力が高い 4、野球界以外への影響力が大きい