【独占告白】梅宮アンナ乳がん闘病を語る「こんなにも多くの方々が私たちを支えてくれる。涙が止まらなくて」
通称「レッドデビル」を体から頑張って排出するためにお水をたくさん飲んでいます
さて、闘病中のみなさんとシェアできるよう、私が受けている「AC療法」の内容を詳しく記録しておきます。まず最初に30分かけて吐き気止め「グラニセトロン注+デキサメタゾン注」を投与。長めです。 続けて15分ほど、その真っ赤な具合から米国では「レッドデビル」と呼ばれるらしい抗がん剤の「A」、「アドリアマイシン注 」を結構な速さで入れます。「動かないで」と言われ、「何でですか?」と聞いたら、「めったにないけれど、液漏れすると最悪の場合で皮膚潰瘍になるから」と。そんなの恐怖しかない(笑)、必死で動かずトイレも行かずに頑張るのですが、終わるとやたらトイレに行きたくなります。行くとこの時点でもう尿が赤いの、オレンジ色というか。うわあ、人間の体ってすごいな、こんなに早く出ちゃうのと驚きます。 そのあと30分ほど抗がん剤の「C」、「シクロホスファミド注 」を投与します。赤はハードですが、こちらは「優しい抗がん剤」と呼んでいるくらいにソフト。最後に5分ほど生理食塩水で点滴管内を洗い流して終了です。 がんの先輩方に「お水をたくさん飲んで体に残らないように出してください、必要な分は体に残るから」と言われました。1回目ではそれを知らず、2回目からはたくさん飲みました。6日後くらいにこうした症状は治まり、体から抗がん剤が出ていく感じがわかります。腎機能が低下すると膀胱炎のリスクもあるので、お水をたくさん飲んで尿も我慢せず夜中も2時間おきにトイレに行きます。父・梅宮辰夫は晩年人工透析を受けていて、尿を自分の力で出せない人生は辛いのを見ていました。だから夜中何度起きることになっても自分でトイレに行けることに感謝があります。 この「AC療法」が終わると、次のステップは「パクリタキセル」ですが、いまより強いらしいのでちょっと恐怖です。「手足の末梢に影響が出てしびれたりするので保冷剤を用意してください」といまから言われています。温めるのに使い捨てカイロも用意しないとならないようです。 一般的にAC療法もパクリタキセルも3週間ごとの投与ですが、私はありがたいことに体力があったので2週間おきのスケジュールにチャレンジして、現在のところここまで治療を行えています。これって、リタイアはしたけれど砂漠でサハラマラソンに挑み、山にも登り、限界の自然の中で体力と精神力を鍛えたのが生きたのだと思います。今日の行いがいつか未来につながると信じて日々を過ごしてきましたが、まさに人生のひとつひとつの点が線になっていくかのようです。 若いころ、学校に居場所がなくて悩んだときも、きっとこの経験には意味があると信じて次の道を切り開きました。その結果、本当に大切な、真に私を助けてくれる友人は誰なのかがわかりました。がんにり患して苦しんでいる私たちが「いま起きていることは何かしら未来に意味がある」と受け止め、理解できたら、余命半年と言われてから50年生きた私の父のように「お天道さまは見ているから」ときれいに生きていけるのだと思います。 本記事ではアンナさんの抗がん剤治療のステップと、続けるうえで気づいたことを伺いました。次回記事では先般受けた「CVポート手術」について詳しく伺っています。
オトナサローネ編集部 井一美穂