【五月病対策に!自律神経の整え方】やる気がでない、集中できない…心と体の簡単リセット法
■自律神経が整う方法④疲れたときこそダラダラしない 帰宅後、ソファに腰を下ろした途端にどっと疲労感に襲われ、なかなか立ち上がることができない──これは一度交感神経がオフになり、副交感神経が活発になることで、いざ動こうとしても再び交感神経をオンにするのが難しくなるためです。 疲れたときこそダラダラするのではなく、体を軽く動かして、疲れを自発的に抜いていく「アクティブレスト」という考え方が重要です。細かい家事をこなしたり、散歩やストレッチをしたりすると全身の血流がよくなって、自律神経のバランスが整うだけでなく、気持ちもすっきりしていくはずです。「休む」という行為は、「動かないこと」ではなく、「質のいい血液を体内に行き渡らせること」。ちょっとした時間に少しでも体を動かすクセをつけましょう。 ①まっすぐに立つ 足は肩幅に開いて、軽く胸を張る。 ②手首を交差して全身を上に伸ばす 頭の上で手首を交差させて固定し、肩甲骨を内側に寄せる。息を吸いながら、かかとを上げて背伸びをして全身を伸ばす。ひじが曲がらないように注意。 ③腕を横に広げて下ろしながら息を吐く 手のひらを外側に向け、息を吐きながらゆっくり円を描くように腕を下ろしていく。両腕が床と水平になったあたりで腕の力を抜き、同時にかかとを床につける。3回を目安に行う。 ■自律神経が整う方法⑤他人の評価は放っておく 人間関係でのストレスは、自律神経を乱す大敵ですが、まったく人目を気にしない、コンプレックスを持たないというのは、そう簡単に実践できるものではありません。そこで大切なのが、考え方を「気にしない」よりも「放っておく」にシフトすること。 心が乱れそうなSNSやネットの情報はできるだけ見ないようにする、気分が晴れることだけを考えるなど、自分に向けられる評価や他人の目から距離を置き、自律神経を安定させることを最優先に考えましょう。 ■自律神経が整う方法⑥雨の日は遅くまで仕事をしない 自律神経は天候によっても左右されるので、私はその日の天候に応じて行動パターンを少しだけ変えることをおすすめしています。例えば、湿気が高い日や雨の日は、どうしても気分が少し下がりぎみになりますが、これは気持ちによる面だけでなく、低気圧が近づくと空気中の酸素濃度が下がって副交感神経が優位になっていくからです。 つまり体が休息モードに入るわけですから、そんなときに無理をしても生産性アップは期待できないでしょう。天候が悪いときに気分が乗らないのは当たり前。そんな自分を否定することなく、いつもより短い時間で集中して乗り切っていくのがコツです。 順天堂大学医学部教授 小林弘幸 日本スポーツ協会公認スポーツドクター。研究の中で自律神経バランスの重要性に着目し、日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリスト。国内における自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導を行う。『自律神経が10割 心と体が整う最高の習慣』(プレジデント社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)など著書多数。 出典/『自律神経が10割 心と体が整う最高の習慣』(プレジデント社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社) イラスト/川添むつみ 構成・取材・文/国分美由紀