「最初はヘビのようで驚いたが…」日本のうなぎ料理に感動! マッシが見た美味さの“秘密”
3【「う」のつく食材説】縁起担ぎから生まれた、食卓の彩り 土用の丑の日に「う」のつく食材を食べる習慣は、古くから庶民の間で広く親しまれていた。江戸時代から親しまれたうなぎ以外にも、「うどん」「梅干し」「うり」など、さまざまな食材が食卓を彩っていた。 「う」には「運」や「縁起」といった意味合いがあって、土用の丑の日にこれらの食材を食べることで、無病息災や開運を願っていたそうだ。 不思議なことに、一年中食べられると分かっていても、夏に食べるうなぎはなぜかテンションが上がるものだ。初めて食べたときは想像以上の美味しさに驚いた。ふわふわとした身は柔らかく、甘辛いタレとの相性は抜群。噛むほどに旨味が口いっぱいに広がって、あっという間に一尾を平らげてしまった。 当時はまるで蛇を食べているような感覚だったけど、気持ち悪さはまったくなく、むしろ新鮮な食感を楽しむことができた。
外国人には衝撃の姿と美味しさ
イタリアにもうなぎ料理が存在しないわけではないけど、メジャーな料理ではない。僕はイタリアで食べたこともない。日本で初めて見たときに声が出た理由はその見た目である。長細い蛇のような形で、焼く前に生で見たときはかなり衝撃を受けた。 多くの串を刺して熱々の炭火の上に置いてじっくり焼くという光景のインパクトが強かった。そこから少しずつ、裏返しながら焼き色が付いていく。生で見たときと、出てくる料理とのギャップはまるで魔法がかかったみたいだ! ちなみに、海外にもうなぎはあって食べられるけれど、日本といくつか違いがある。この違いに、食べたくなる秘密が隠れていると気が付いた。 実は、ヨーロッパではうなぎを燻製することが多いのだ。そして、スパイスやハーブもよく使われている。イタリアではうなぎ料理といえば蒸しや煮込み料理が一般的で、見た目と食感から見るとどうも食べる気にならない。 日本ではじっくりと焼いているから、中身は柔らかくて外側は少し硬めの食感があって、2倍楽しめる。調理中に生で見たときの驚きがいつの間にか、美しい焦げ茶色の輝きとともに自分の前に出てくる。 それだけではない。日本でのうなぎは白焼きやひつまぶし、うなぎ丼、うまきなど、さまざまな形で味わって楽しめるのだ。食べたことがない人でもひと口目から、うなぎの見た目から想像できない旨味と、調理から現れる美味しさに夢中になる。