【F1】角田裕毅は周囲が騒ぐ「レッドブル昇格」の声も我関せず「僕の頭は今やるべきことでいっぱい」
【1ストップ作戦に活路を求めたが...】 角田はこう説明した。 「問題のあった空力パッケージをすべて交換して、データを収集して問題なく機能しているかどうかを確認しました。でも、正直に言うと何も改善はしていなくて、(リカルド車と比べて)かなりダウンフォースが失われている状態です」 ただ、土曜が丸一日ウェットコンディションになってしまったため、金曜データとの正確な比較ができず、マシンに問題があると断言することもできなかった。その結果、日曜も同じ状態のまま走り、データ収集にあてることにするしかなかった。 今年のスパ・フランコルシャンはサーキットの約半分が再舗装され、その新舗装部分が高いグリップを発揮する反面、タイヤには厳しくなった。さらに日曜は路面温度44度にも達するこの週末一番の暑さとなり、雨上がりの汚れた路面でタイヤはかなりデグラデーション(性能低下)が進むと予想されていた。 金曜の時点でもすでにデグラデーションが大きく、昨年のようにソフトタイヤを使うのはもってのほか。ハードタイヤが中心になり、それでも2回のタイヤ交換が必要になると見られていた。 そんななかで、1ストップ作戦に活路を見出そうとしたのが角田だ。前戦ハンガリーGPでもタイヤが厳しいなかでただひとり、1ストップ作戦を成功させたことで入賞を果たしただけに、角田自身にも淡い期待があった。 だが今回は、浮上のきっかけを見いだせないまま18台中16位でフィニッシュ。15周目まで第1スティントのピットストップを遅らせた時点で、すでにピットストップを終えた2ストップ作戦勢に追いつかれ、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)に抑え込まれている間に2ストップ勢が2回目のピットストップをする20~25周目にはピットストップ1回分のギャップを作られ、彼らの前に出ることはできなかった。 「1ストップで行ける可能性は低いと思っていたんですけど、走ってみたら全然悪くなかったので、結果的に『あぁ、できたんだ?』という感じでしたね。戦略としては間違いなく2ストップ作戦のほうがよかったと思うんですけど、ギャンブルを狙って1ストップ作戦にしたという感じですね」
【関連記事】
- 【ヤンチャ時代を知る友たち】角田裕毅の同期・同世代3人に"当時"を聞いてみた 「メンタルは強かった」「憎めないキャラ」「大事なレースで幅寄せされた」
- 【入賞の軌跡@ハンガロリンク】角田裕毅が「現実的に不可能」な1ストップ作戦で9位 現実を可能にしたチームスタッフとの強い絆
- 【入賞の軌跡@モナコ】角田裕毅は「異例の戦略」でモナコ8位を奪取 ペースを抑えて「わざとゆっくり」走った理由
- 【入賞の軌跡@イモラ】角田裕毅、予選7位→決勝10位でも冷静 淡々と仕事をこなしてポイントを持ち帰る姿はベテランの風格
- 【入賞の軌跡@マイアミ】角田裕毅の7位入賞に「なんて速さだ」エンジニアも大興奮 「メルセデスAMGと互角に戦えるなんて...」