たった10年で交通事故死が29%減、フィンランドの道路安全戦略
EUにおける2023年の交通事故死者数は2万418人
フィンランドの受賞と同時に、ETSCの最新報告書が発表された。この報告書によれば、EUにおける2023年の交通事故死者数は2万418人。2022年と比べて1%減にとどまっており、ここ数年における欧州全体での数字からすると停滞している。 フィンランドの成功と、EU全体の不首尾との差を埋めるべく、ETSCは、EU道路安全機関の設立を求めている。新しく発売される自動運転車の監視、交通事故調査の実施、安全技術の急速な進歩を考慮した自動車安全性規則の改正、そうした技術を確実に保守するための検査の改善などを包括的に監督する機関だ。 ETSCによれば、道路以外の欧州の運輸様式(航空、海運、鉄道)には、安全性の監督責任を負う専門のEU機関があるが、道路交通に関してはそうした機関が存在しないという。 「道路安全を、再び優先事項にする必要がある」とアヴェノソ事務局長は述べる。「欧州の道路上では、過去5年で10万人が死亡した。何も変わらなければ、今後5年でさらに10万人が死亡するだろう」 報告書の全文は、ETSCのWebページで読むことができる。
Tanya Mohn