海外メディアも羽生のNHK杯での300点超えVを「衝撃を与えた」と報道!
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯の第2日が札幌で行われ、男子シングルでは、SPで首位発進していた羽生結弦(21、ANA)がフリーでも197.58点の好得点を叩き出し計301.47点で連覇を果たした。これは今季世界最高得点で、羽生は冒頭で難易度の高い4回転ループを国内で初成功させた。演技後半に4回転サルコーに転倒したが、3つの4回転ジャンプを成功させた羽生の圧勝劇を海外メディアも一斉に取り上げた。 五輪スポーツを扱う「インサイド・ザ・ゲームビズ」では、NHK杯を振り返る長文記事の冒頭で羽生について「オリンピックチャンピオンの羽生結弦は、他を圧倒するパフォーマンスで危なげなく男子シングルで優勝した。よく鍛錬された男子シングルのフリーで日本の札幌で行われたNHK杯の表彰台のトップに立った」と伝えた。「彼はホームの戦いでフリーとショートプログラムの合計、301.47と力を発揮し、2位以下を大きく引き離し余裕を持って優勝した。羽生はGPシリーズ最終戦で勝ち、来月にマルセイユで開催されるGPファイナルを決めた」と、男子としては大会初の4連覇を狙うGPファイナル進出も強調した。 羽生の「正直、とてもほっとしている。GPファイナルに進出し、4回転ループも初めて公式の(メジャー大会で)プログラムとすることができた」というコメントを紹介。「確かに不安があったけれども、同時に精神的に準備もできていた。なぜならハードに練習をしてきたことに自信があった。それにここは僕のホームであり、多くのサポートを得ることができた」と勝因を説明したことが付け加えられた。 国際スケート連盟の公式ホームページも、「羽生は4回転ループ、4回転サルコー、トゥーループ、2回のトリプルアクセル、3回の3回転ジャンプを跳んだ。オリンピックチャンピオンは今季自己ベストの197.58をマークし、ショートプログラムとの合計でも301.47だった」と伝えた。 カナダのテレビ局CBCは、ペアで自国のミーガン・デュハメルとエリック・ラドフォード組が優勝した記事に続き、羽生の優勝についてもスペースを割いた。 「羽生はホームの満員の観衆に衝撃を与えた」と表現。「羽生は土曜日のフリープログラムでも、引き続いて他を寄せつけなかった。この日本のオリンピックディフェンディングチャンピオンは、301.47でゴールドメダルを勝ち取った。2位のネイサン・チェンとは30ポイント以上の差があった」と、自身3回目の300点を記録し、2位のチェンを寄せ付けなかった様子を表した。 米国のNBC局のホームページでは、羽生に大きく離されながらも2位に入ったチェンの健闘を称え、「17歳のネイサン・チェンが米国人選手のトップ」と見出しをつけたが、「オリンピックチャンピオンの羽生は32.56ポイント差をつけて優勝した」と、チェンに大差をつけての優勝だったことにも触れている。 同記事によると、チェンはGPファイナル進出を決め、米国の選手が男子シングルでGPファイナルに進出するのは2011年以来のことであるという。「17歳のチェンは2011年に羽生がGPファイナルに出場して以来の若い選手の出場である」と、チェンが羽生を追いかけている様子を伝えていた。 シニアデビューしてきた4回転ジャンプの使い手は、羽生にとって脅威の存在になっていくことは間違いないだろう。羽生の大会初の4連覇をかけたGPファイナルは、12月8日からフランスのマルセイユで行われる。6選手だけに出場権が与えられるGPファイナルには、羽生以外には、パトリック・チャン(カナダ)、フェルナンデス(スペイン)、ネイサン・チェン、リッポン(いずれも米国)、日本の宇野昌磨が出場するが、韓国平昌五輪のプレシーズンで羽生はどこまで強さをアピールすることができるのだろうか。