大会史上最年少Vの松山茉生、「優勝してゴルフ人生を変える」新たな”マツヤマ”誕生【ゴルフ・日本アマチュア選手権】
◇28日 ゴルフ 日本アマチュア選手権最終日(兵庫県三木市、広野GC) 名古屋市出身の松山茉生(15)=福井工大福井高=が大会史上最年少優勝を達成した。悪天候のため最終ラウンドは中止となり、3日間を終え首位タイで並んでいた松山と山下勝将(21)=近大=のプレーオフ(PO)のみを実施。2ホール目の11番で松山がパーを決め、山下を振り切った。15歳11カ月8日での優勝は2015年に優勝した金谷拓実の17歳51日を更新。男子ゴルフ界の期待を背負う、新たな「マツヤマ」が誕生した。 「きょう絶対に優勝して、オレはオレのゴルフ人生を変える」―。朝食時、両親に宣言して臨んだ山下とのプレーオフ。松山はその言葉通り、見事に最年少優勝を決めてみせた。 「もう緊張して緊張して、ずっと体が震えていました。あんまり緊張し過ぎて、プレーオフが始まったら、それほどでもなくなったほど」 たった2ホールのプレーオフ。それでも伏線もあり、ヤマ場もあった。まずは10番。2打目をお互いグリーンに乗せて、距離もほぼ同じ2メートル。先に山下がバーディーを決め、松山にプレッシャーをかけた。重圧で手が震える中、松山もバーディーパットを入れ返した。 続く11番では、フェアウエーから打った山下の3打目がグリーン右のエッジに残った。対して、ティーショットをバンカーに入れた松山はピン手前10メートルに2オン。バンカーから果敢に攻めた松山に対し、山下はグリーンの左に外すのをいやがり、難しい右に打ってしまった。 この2打目で事実上、勝負は決した。山下がカラーからの4打目も外したのに対し、松山は2メートルのパーパットを慎重に入れ、激闘が終わった。従来の記録を塗り替える最年少での金字塔。高校1年生での日本一も初の快挙だ。 先週のトヨタジュニアW杯の個人戦に続く「2週連続優勝」。日本代表として初めて挑んだ国際大会での優勝経験が、大器を目覚めさせた。「あの優勝で顔つきが変わりました。いい意味で覚悟ができたというか。わが子ながらびっくりしてます」と応援にかけつけた母親の浩美さん(49)が言う。 こだわるのはドライバーの飛距離。平均で310ヤードを超えるが、まだ15歳。まだ伸びる。世界規格の「マツヤマ」はここにもいる。 ▼松山茉生(まつやま・まお) 2008年7月20日生まれ、名古屋市出身の15歳。180センチ、90キロ。父親の阜司さんに誘われ5歳でゴルフを始めた。名古屋市立守山北中から今春、福井工大福井高に進学。得意クラブはドライバーで平均飛距離は310ヤード。名前の由来は「茉には穏やかという意味があり、そんな生き方をしてほしい」と祖父の卓市さん(85)が名付けた。
中日スポーツ