密輸手口も“巧妙化” 数ミリのかけらも見逃さない水際最前線 名古屋税関
しかし、検査官が荷物を調べること数分。スーツケースの奥に何かを見つけた。手袋をはめた検査官が手に取ったのは、わずか数ミリの植物片。現場に緊張が走る。詳しく調べるため、男性は別室へ案内された。
ことの重大さに気づいたのか、男性にあせりの色が見える。見つかった植物片を、大麻の成分に反応して色が変わる試薬で確認すると、紫色に変色。植物片は大麻だった。 男性「持ち込んだってことですか?」 検査官「そうですね」 男性「えー…持ち込んだってなると仕事できなくないですか?」 検査官「そのリスクは、ご自分で考えていただいて」 男性「そうですよね…」 検査官「また同じようなことがあったら、これで済むってことはなくなりましたので」 男性「ありがとうございました。ご迷惑おかけしました。すみませんでした」 うっかりでも持ち込んでしまったら、密輸。全ての荷物を検査したところ、他に大麻は見つからず、男性は厳重注意となった。 日本の水際を守るため、日々、税関の検査官は目を光らせている。