密輸手口も“巧妙化” 数ミリのかけらも見逃さない水際最前線 名古屋税関
税関がこうした荷物を入念に検査するのは、国際郵便による密輸が年々巧妙になっているからだ。 フランスから届いたチョコレートの包み紙の中には、約1000錠もの合成麻薬「MDMA」が。サンダルの底に麻薬が隠されていたこともあった。さらに、末端価格約3300万円相当の覚醒剤が見つかったのは、なんと絵画の中からだった。
韓国から届いた荷物にも、あるものが隠されていたという。一見、箱の中には韓国のりしか見当たらないが…。 検査官: 「のりだけある中に影があって(のりで覆うように)隠匿されていた。この影なんだろうって思って。そしたらバイアグラが」 隠されていたのはED治療薬。インターネットで安く販売されている偽物とみられ、詳しく調べることになった。偽物のED治療薬の中には、死亡事故が報告されている危険なものもある。絶対に手を出してはいけない。
香港からの郵便物にもX線に写る怪しい影が。中を開けると出てきたのは、なんと拳銃!? 弾丸のようなものも一緒にケースに入っている。それも一つだけではない。検査官が集まり、詳しく調べることに。よく見るとサイズは小さめで、銃口が開いておらず、弾が撃てないおもちゃと確認された。 検査官は国際郵便の水際でも密輸を防ごうと検査を続けている。
手荷物受取所に現れた要注意人物 スーツケースの中から出てきたのは…!?
再び中部国際空港の税関検査場。バンコクから飛行機が到着すると、検査官に緊急連絡が。手荷物受取所に「要注意人物」がいるというのだ。タイから帰国した男性が違法な薬物を持っている可能性があるという。 しばらくして、やって来たのはラフな格好の日本人男性。タイ旅行から帰ってきたところだという。
検査に嫌がる様子もなく淡々と応じるこの男性が、なぜ要注意人物なのか。実は、男性が手荷物受取所にいた際、麻薬探知犬が薬物のにおいを嗅ぎとっていたのだ。検査官が直球で質問する。 検査官「麻薬探知犬が反応したので」 男性「向こうで吸ったからですかね、タイで」 検査官「何を吸ったんですか?」 男性「大麻です」 検査官「荷物の中にはないですね」 男性「もちろん絶対ないです。100パーないっす」 タイでの旅行中に大麻を使用したが、荷物の中にはないと力強く言い切った男性。