【単独】GENDA会長に聞く映画配給ギャガM&Aのウラ、社内は「胸アツ」だったワケ
ギャガ買収で社員から聞いた「胸アツ」エピソードとは
──これまで36件の買収を手掛けてきたわけですが、その中でGENDAのターニングポイントにもなった案件というのはどれでしたか? 片岡氏:いずれも大切で一番というのは付けにくいですね。ブランドとしても皆さんの記憶に残ったのは、セガのゲームセンター事業を担っていたセガ エンタテインメントの案件でしたし、ギャガもまさに大きなインパクトを残しました。ギャガが傘下になったことで、弊社の社員から聞くのが、「映画のオープニングでギャガのロゴと『GENDA GROUP』と出てくるのが、本当に『胸アツ』です」ということです。全社員のモチベーション部分にもすごく効果があったと言えます。 実は最近、もう1件ゲームチェンジに近いような案件を実現することができました。それが米国ナショナル・エンターテインメント・ネットワーク(NEN)のM&Aで、9000カ所以上の無人ゲームコーナーを運営する会社です。 ──そういえば米国というのは、これまで片岡さんが手掛けられてこなかった地域なのですか? 片岡氏:イオングループは「アジアシフト」を掲げていたので、前職では実現できなかったのです。でも私は自分の中でも空白地帯になっていたアメリカにぜひGENDAで進出したかった。だから北米で精力的に展開するラウンドワンさんとKiddletonという合弁会社を2019年から展開してきました(テキサス州ダラスで2020年7月からKiddleton Hulen Mall Branch(キドルトンフレンモール店)を展開)。 ちょうどコロナの猛威があった時期でのスタートだったのですが、その中で(イオンファンタジー時代にベトナムの社長を務めていた)現Kiddleton社長の伊与田 篤が「無人のゲームコーナーをやりたい!」と言ったのがきっかけでした。弊社では、この無人のゲームコーナーを「ミニロケ(ミニロケーション)」と呼ぶのですが、この事業が当たって7カ所、50カ所、100カ所という具合に毎年増えていき、オーガニックに500カ所超まで展開しました。ほとんどが無人のクレーンゲーム機スペースです。