オン のチーフコマーシャルオフィサーが語る市場拡大計画、D2Cと卸売の関係
D2C vs 卸売
設立当初、我々は(流通戦略を)明確に考えていた。当社はD2Cのみのブランドになりたいわけではなかったし、卸売だけのブランドになりたいわけでもなかった。当時、つまり14年前にオンが設立されたばかりの頃は、D2Cの人気ブランドがたくさん存在していて、メディアに取り上げられ、注目を集めていた。それは一部の業界においては成功していた。 だが井の中の蛙でありリソースも限られていた当社にとって、できるだけ早く消費者とつながることができる最善策のひとつは、ハイテクで高性能な商品の検証も可能な卸売だということはわかっていた。最高の卸売パートナーや専門業者と取引し、コミュニティとつながることが、常に当社の戦略だった。また同時にD2Cの存在感を高め、推進させていた。現在はブランドが変化したので、D2Cでさらに成長を促進させている。 我々は新しいカテゴリーに進出してきたが、卸売パートナー1社ではすべてのブランドストーリーを完全に伝えることは本当に難しい。それを実現できるのは、eコマース上のデジタル環境か、自社の小売店だけだ。 また、卸売パートナーを減らすつもりはないということも明確にしておきたい。そのような手段をとるブランドがあるのは知っているが、当社の戦略ではない。むしろ、当社は店舗拡大やアカウントの拡張にあまり興味がないのだ。(今は)D2Cの成長を加速させつつ、最高売上の達成と消費者と1番のつながりを持つ、もっとも成功している店舗を作ることに注力している。
オリンピックのチャンス
今年のオリンピックは当社にとって大きなブランド戦略なので、全員が注視している。我々は今年、いくつかエキサイティングなパートナーシップ提携を結んでいる。それについてはまだ話すことはできないが、まもなく公表する予定だ。当社は米国でもっとも人気のある陸上クラブのひとつを持っており、今ではオセアニア、ヨーロッパ、アジアへとそのクラブを拡大している。 これは素晴らしいことだ。正確な数はわからないが、オリンピックには30人近くの陸上競技の選手が出場すると思う。ここ数年で、当社は信じられないような才能を持つ選手をチームに迎え入れることができた。というのも、我々の商品をとても気に入ってくれているからだ。選手たちは、オンやそのチームと文化が大好きで、当社のパフォーマンスの背後にあるイノベーションを本当に推進してくれている。パリオリンピックはついに、我々が非常に大きな声明を発表する年となる。