余った“海苔の佃煮”の意外な使い道!ご飯がすすむ“海苔の麻婆豆腐”のつくり方
料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。前回に続き、お題は“海苔の佃煮”。最後まで食べきれないご飯の友が、白米にもよく合う、ちょっぴり和風な麻婆豆腐に変身します! 【写真を見る】余った“海苔の佃煮”の意外な使い道!ご飯がすすむ“海苔の麻婆豆腐”のつくり方
■“海苔の佃煮”が中華おかずに! 前回、尾身さんがつくってくれたのは、“海苔の佃煮”を使った絶品の“炊き込みご飯”。旨味たっぷりの海苔の佃煮がだしとして使えることを教わったが、今回もまた意外な使い道を伝授してくれるという。さっそく冷蔵庫から出してきたのはなんと、豆腐! 「“海苔の麻婆豆腐”をつくります。びっくりするかもしれませんが、海苔の佃煮の旨味が不思議と、甜面醤(テンメンジャン)のような役割を果たしてくれるんです。海苔と豆腐の相性もぴったり!」 さっそく試食してみると、海苔の香りが意外なほど麻婆豆腐にマッチ!ちょっぴり和風の味わいで、白いご飯にもすごく合うのだ。海苔のやさしい風味に合わせて、豚ひき肉ではなく、鶏ひき肉を使うのもまたポイントだ。 ■麻婆豆腐のコツは“塩ゆで”にあり! さて、麻婆豆腐は、どんな豆腐を選ぶかでかなり味わいの印象が変わるものだ。今回、尾身さんが選んだのは絹ごし豆腐。つるりとなめらかな食感でおいしいが、家庭では煮くずれてしまうのが怖くて、木綿豆腐を選ぶ人も多いのではないだろうか。ところが、尾身さんがつくってくれた麻婆豆腐は、豆腐のエッジが立っていて、つるりとした食感もいい。どうすればこんなふうに仕上がるのか聞いてみたところ、豆腐を“塩ゆで”してから使うのがコツなのだという。 「塩ゆでといっても、鍋でゆでなくても大丈夫。塩を加えた熱湯に浸すだけでいいので、ちっとも面倒じゃないんですよ」 さっそく実践してもらったところ、豆腐はまず2.5cm角に切って、耐熱性のボウルへ。そして、塩小さじ1/2を溶かした熱湯500mlを、豆腐に当たらないようにそっと注ぎ入れる。10分ほど浸せば、あっという間に塩ゆで完了!あとはザルにあげて、水気をきってから使えばいい。 「塩ゆですると豆腐の余分な水分が抜けて、煮くずれにくくなるんですよ。しかも、プルンとした、絹ごし豆腐ならではのなめらかさも引き立ちます。海苔の麻婆豆腐のやさしい味わいには絹が合うので、ぜひ試してみてくださいね!」 □“海苔の麻婆豆腐”のつくり方 ◇材料 (2~3人分) 絹ごし豆腐:1丁(300~350g)(2.5cm角に切って塩ゆでする) 鶏ひき肉:120g 海苔の佃煮:大さじ2と1/2 ザーサイ:大さじ1(粗みじん切り) 生姜:大さじ1(みじん切り) にんにく:大さじ1/2(みじん切り) 長ねぎ:1/2本(粗みじん切り) 赤唐辛子:小さじ1(乾燥、小口切り) 米油:大さじ1(サラダ油で代用可) 紹興酒:大さじ1 ★ 水溶き片栗粉: ・ 水:小さじ2 ・ 片栗粉:小さじ2 粉山椒:適量 (1)鶏ひき肉を炒める フライパンに生姜、にんにく、米油を入れて中火にかけ、香りが出たら赤唐辛子と鶏ひき肉を加えて炒める。鶏ひき肉の色が変わったら、ザーサイを加えて炒め、油がまわったら紹興酒を加えてさらに炒める。 (2)海苔の佃煮を加える 紹興酒のアルコール分がとんだら、水150ml(分量外)と海苔の佃煮を加えて溶き混ぜる。 (3)豆腐を加える 煮汁が煮立ったら豆腐を加え、温まるまで煮る。ここで味見をし、薄ければ塩少々(分量外)を加えて調える。 (4)とろみをつける 水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、長ねぎを加えてひと混ぜしたら出来上がり。器に盛り、粉山椒をふる。 --------------- ――教える人 「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」 料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。 --------------- 文:大沼聡子 撮影:海老原俊之
大沼 聡子