JR九州、列車自動運転を拡大へ 鉄道網維持に不可欠と社長
JR九州の古宮洋二社長は4日までに共同通信などのインタビューに応じ、JRグループ初の実用化を遂げた列車の有人自動運転を「どんどん広げていきたい」と述べ、導入拡大に意欲を示した。新技術の活用は「将来の鉄道の維持に向け、一番大切だ」と強調した。 昨年3月から香椎線で本格運用した自動運転は、ボタンを押すだけで出発から停止まで自動制御でき、運転士は乗務の必要がない。人手不足解消や費用削減を期待できるとして、今後は「昔の重厚な設備を少なくしていく」と語った。 利用客が同社発足から7割減った赤字ローカル線、指宿枕崎線や日南線の一部区間については「日常で使わない鉄道に大量輸送機関の価値があるのか。必要なら利用してほしい」と訴えた。高速道路網の整備で移動需要が自家用車へ移行していると指摘し「どういう交通体系が生活にふさわしいか考えていくべきだ」と議論を促した。 一方、整備方式が未決定の西九州新幹線新鳥栖―武雄温泉間は「課題解決に向けて少しずつ進めていく」と述べるにとどめた。