おしゃれして「自分大切に」 飯田市出身の伊藤さん 福祉施設で出張ネイル【長野県松川町】
長野県松川町元大島の地域活動支援センターあすなろで19日、ネイリストが施設を訪問して利用者にマニキュアを施す「福祉ネイル」が開かれた。飯田市出身のネイリスト、伊藤佳代子さん(36)=名古屋市=が施設を訪れ、利用者の爪を彩った。 福祉ネイルとは、高齢者や障害者といったネイルサロンに通えない人に対して施設に出張して行うネイルサービス。 伊藤さんは主に名古屋市で福祉ネイルを行っているが、同施設の職員と知り合ったことをきっかけに初開催した。この日は女性利用者ら5人が体験した。 利用者は好みのカラーを選んで一人ずつ施術を受けた。伊藤さんは爪磨きをしてからマニキュアを塗り、要望に合わせて花などのデザインも描き入れた。 伊藤さんは福祉ネイルを「コミュニケーションの貴重な機会」と捉えており、施術中は利用者との会話を楽しんでいた。 50代の女性利用者はラメ入りのピンクにハイビスカスのデザインを描いてもらい、「かわいらしい」と満足げだった。プロのネイリストの施術を受けるのは久しぶりといい「やっぱり仕上がりがきれい。またやってもらいたい」と話した。 伊藤さんは「仕上がった時の利用者の笑顔がすてきだった」と語り、「ネイルは不可欠なものではないが、爪を彩るだけで前向きになれる。ネイルを通じて自分を大切に思える人が一人でも増えたら」と願っていた。