ユニチカ、繊維から撤退…売上高の4割占める祖業を売却し経営再建
ユニチカが祖業の繊維事業から撤退することがわかった。業績不振が続いており、事業を売却して食品用包装フィルムなどに経営資源を集中する。経営の再建に向け、三菱UFJ銀行をはじめとした取引銀行は300億~400億円規模の債権放棄に応じる方針だ。 【写真】1898年頃のユニチカ…尼崎紡績の本社工場
ユニチカは28日午後、詳細について発表する。関係者によると、撤退するのは衣料用繊維のほか不織布などの機能資材の大半で、売上高のうち約4割を占める。
取引銀行による債権放棄に合わせ、官民ファンド「地域経済活性化支援機構」(REVIC)が議決権付きの優先株を約200億円で取得し、筆頭株主となる方向で調整している。
ユニチカの2025年3月期連結決算は2期連続の最終赤字が見込まれており、抜本的な構造改革が求められていた。同社はかつて「三大紡績」の一角として日本の繊維産業をリードしたが、近年では安価な中国製品の台頭で競争が激化し、収益性が悪化していた。