誰がいい? パリ五輪U-23日本代表に推薦したいOA選手6人。救世主になり得る“先輩”たち
DF:板倉滉 生年月日:1997年1月27日(27歳) 所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラードバッハ(ドイツ) 2023/24リーグ戦成績:17試合3得点0アシスト 川崎フロンターレの育成組織で育った板倉滉は、2019年にイングランドの強豪マンチェスター・シティに加入した後、オランダのフローニンゲン、ドイツのシャルケでプレーし、2022年からはボルシア・メンヒェングラードバッハ(ボルシアMG)でコンスタントに出場している。 若くして欧州に出た板倉は、A代表のレギュラークラスであり、2021年の東京五輪にも出場した。日本人センターバックで屈指の経験を持っている選手と言えるだろう。 U-23アジアカップで優勝したU-23日本代表は、守備陣が大会の中で成長を遂げた印象を受けるが、まだ頼りなさはある。対人守備が圧倒的ではないということ以前に、ゾーンで守っているセットプレーで個々の担当する持ち場がどこまでなのかという守備全体で共有しておきたい認識がはっきりしていない様子が見受けられた。板倉のような経験のある選手が最終ラインに加われば、よりはっきりとした基準ができることが期待でき、単純な個人の守備の能力だけでなく、頼れるディフェンスリーダーとして周囲を引き上げてくれそうだ。 東京五輪では、板倉に加えて冨安健洋もおり、センターバックは十分に強力だったが、オーバーエイジ枠で吉田麻也が入って精神的支柱になっていた。板倉は、その役割を引き継ぐ存在になれるかもしれない。
MF:田中碧 生年月日:1998年9月10日(25歳) 所属クラブ:デュッセルドルフ(ドイツ) 2023/24リーグ戦成績:27試合7得点4アシスト 田中碧は、2021年の東京五輪に出場した。初戦から3位決定戦まで全ての試合に先発した中心選手の1人で、大会後の2021/22シーズンからは川崎フロンターレを離れてドイツのデュッセルドルフで経験を重ねているところだ。 ドイツ移籍後、田中はしばらく燻っていたものの、2023/24シーズンになって完全にブレイク。過去2年はリーグ戦で1得点1アシストというさみしい数字だったが、今季はここまで7得点4アシストを記録している。川崎F時代に記録した2020シーズンの4得点を一気に超えて、キャリアハイを大幅に更新した。 確かな技術があり、戦術的な賢さも持ちあわせている田中は、攻撃のあらゆるタスクをこなせるオールラウンダーと言える。フィジカルが弱点と言われてきたが、屈強なドイツ2部で戦う中で克服してきたからこそ、いまの結果につながっている。燻っている時期は器用貧乏になっている印象もあったが、殻を破って自信をつけ、たくましくなったようにみえる。 U-23日本代表の中盤では、大会MVPに選出された藤田譲瑠チマの存在が大きいが、A代表クラスの選手が1人加われば、試合を変えられる新たな武器になることが期待できる。その中でも、今季好調で東京五輪の経験がある田中は打ってつけと言えるかもしれない。