東西文明の歴史をたどる世界遺産「シルクロード展」学芸員に聞く“これだけは見逃せない”作品3選
台座を少し斜めにして、見やすさと遊び心をプラスしました。 岩本さん: 「これでお昼休憩です」
ここで、休憩時間に聞いた「これだけは見逃せない!」シルクロード展の3大チューモク展示をご紹介!
消滅した「ソグド語」はシルクロードの国際共通語だった!?
「1点目は『マニ教ソグド語の手紙』という作品になります。ソグド語という現在は『死語』(消滅した言語)になっているんですけど、その言葉で書かれた手紙になります。左から右に読んでいくんですけど、マニ教の位の高い僧侶に向けて年始のご挨拶をしている手紙で、非常に文字がきれいな状態で保存されている作品でぜひ見ていただきたい」
スレンダーな菩薩に見る唐時代の仏像の技術の高さ
続いて、2点目は“スレンダー”な菩薩! 「菩薩というのが悟りを求めて修行する人という意味。理想的な姿でありながらちょっと写実的で、一見くびれがキュッとなってるんですけど、周りから見ると肉付きが自然にされていて、それが唐の時代の仏像の技術の高さを感じていただける作品でぜひ見ていただきたい」
カフェには中国菓子「マーラーカオ」が登場
ここで、番外編!「マーラーカオで大家好(ダージャーハオ)!」 清家リポ 「県美術館内にあるこちらのカフェでは、シルクロード展とのコラボメニューが登場します」 the park M's coffee 郷田将雄さん: 「こちらがマーラーカオとジャスミン茶のセットです。蒸しパンのようなもので黒糖を使って香りを付けながら仕上げています。シルクロードと言えば中国がイメージできるかなと思って、一般的な中国で食べるお菓子マーラーカオとジャスミンティーをセットにした商品」 マーラーカオは、醤油などのほか、中華料理に欠かせないスパイス「八角」を入れて手作りしています。 清家アナ: 「生地がふわふわしていますよ!醤油の香ばしさにほんのりとした甘さが良い相性になっています。アクセントになっているのが八角のちょっとスパイシーさも感じることができて、より中国の雰囲気を味で感じさせてくれますね」
特に貴重な一級文物!1500年前の墓から出土した“金の盃”
休憩後、岩本さんがおススメする3つ目の展示品の作業が始まりました。箱から出てきたのは…「瑪瑙象嵌杯(めのうぞうがんはい)」。新疆ウイグル自治区の墓から出土した5世紀から7世紀の金のカップで、繊細な赤いメノウの装飾が特徴です。 運送会社のスタッフ: 「出土品なのでどこが弱っているのかわからないので、やはり神経は使いますね」 中国側の専門家によるチェックもより厳しく…特に貴重な一級文物で、現場にもこの日一番の緊張感が漂います。