はれて宇宙飛行士に! 米田あゆさん・諏訪理さん単独インタビュー
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第391回)
国内では衆議院選挙が終わり、政治のニュース一色の感がありますが、実はその間、科学技術の分野も大きく動きました。ノーベル賞はAI関連の受賞が相次ぎました。宇宙開発の分野では11月4日にH3ロケットの4号機が無事、打ち上げに成功しました。そして、今回取り上げるのは米田あゆさん、諏訪理さん。10月21日付で、JAXA宇宙飛行士に認定され、23日には記者会見が行われ、2人は訓練用のブルースーツで姿を見せました。 「子どもたちに向けて、宇宙の魅力、何かに一生懸命に取り組むことはとても楽しいこと、そんなことを伝えられる宇宙飛行士になりたい」(米田さん) 「宇宙開発はいま過渡期、変わっていく環境に適応しつつ、貢献できる宇宙飛行士を目指したい」(諏訪さん) 米田あゆさんは29歳、日本赤十字社医療センターの医師から、諏訪理さんは47歳、世界銀行上級防災専門官からの転身です。JAXA=宇宙航空研究開発機構によると、2人が宇宙飛行士候補者に選抜されて以降、日本実験棟「きぼう」のシステムの概要、宇宙で行う実験に関する知識の習得、健康管理や体力訓練、航空機操縦、語学、一般サバイバル技術、スキューバなどの習得を目的とした基礎能力の訓練などが実施されました。そんな多くの経験を経ていよいよ「候補者」の肩書が取れ、2人ははれて宇宙飛行士認定となったわけです。
会見では、印象に残った訓練を諏訪さんと米田さんが振り返りました。 「パラボリックフライト(無重力環境の体験)。初めて無重力を体験して、ふわふわ浮いているのを想像するのと、実際自分が無重力を体験するのとでは、結構違って本当に不思議な感覚だった。“天井が急に床に感じた”という感覚が非常に面白く、これがずっと続いているのが国際宇宙ステーション。想像力をかき立てられる訓練だった」(諏訪さん) 「チャレンジングな訓練としてはロボットアームの訓練。アームを操作する中で、宇宙ステーションではカメラの数が限られている。操作をするだけでなくて、カメラの位置を把握して、どこから見るとアームの動きがとらえやすいか、認識するまで少し時間がかかった。実践に応じた難しさをロボットアームでは感じた」(米田さん) そして、記者会見の翌日、2人はニッポン放送の単独インタビューにも応じてくれました。今回はその模様をお伝えしていきます。 ■いまの心境、ぱっと思い浮かぶことは? (畑中)改めて今の心境は? (米田)ワクワクとうれしいという気持ち。ようやく宇宙飛行士に慣れたというところ、これからどんなことが待ち構えているんだろうという2つの気持ちが大きいです。 (諏訪)ホッとした所もあるが、うれしくて。認定された時に、周りでサポートして下さった人も一緒に喜んでくれた、それを見てさらにうれしくなりました。これからまた新しい訓練が始まる、気をまた引き締め直して訓練に挑んでいこうと思っています。 (畑中)いま、パッと思う浮かぶような出来事は? (諏訪)本当にいろんなことがありました。あれから1年しか経っていないのかという心境。本当に密度の濃い1年間だったので。この年になると1年1年って、割とあっという間に過ぎちゃうという時が多いのだが、本当に長く感じました。本当にいろんなことがあった2年間でした。 (米田)いま思い返すと、基礎訓練が終了したタイミングで、お疲れさまでした、おめでとうございましたというような会を開いていただきました。われわれのことを一番近くで支えてくださったり、訓練の調整をして下さった方が、われわれが無事に終えられたことに対して、少しウルっとされていて、それがすごく印象的だったし、そういった皆さんの思いとともにわれわれ基礎訓練を終えることができたんだな、その思いとともに、われわれ次のステップに向かって進んでいくんだなと感じています。