「釜石の良いニュースの発信源に」 将棋の小山怜央四段が昇級報告
将棋の小山怜央(れお)四段(31)が9日、出身地である岩手県釜石市の市役所を表敬訪問した。小山さんは棋士養成機関を経ずに初めてプロ入りし、今夏には名人戦順位戦(毎日新聞社など主催)への昇級を決めた。躍進の1年を振り返り「思ったより早く昇級できた。長時間の対局に耐えられる体力と集中力を養いたい」と来年への意気込みを語った。 小山さんが昨秋就任した小野共市長を表敬訪問するのは初めて。父敏昭さん(62)、母聖子さん(62)らと市役所を訪れた。小野市長から「釜石の子供たちに諦めずに取り組めば夢がかなうことを教えてくれた」と賛辞を贈られた小山さんは「釜石に関する良いニュースの発信源になれるよう頑張りたい」と口元を引き締めた。 小山さんは小学2年で将棋を始めた。高校2年生の時に東日本大震災で自宅が全壊し、避難所や仮設住宅でも棋力を磨いた。大学在学中にアマ名人になり、奨励会編入試験の受験資格を得たが不合格。卒業後はアマチュアとして活躍し、2023年2月に棋士編入試験に合格してプロ入りした。 24年7月には谷川浩司十七世名人を破って成績要件を満たし、フリークラスから名人戦順位戦C級2組に昇級を決めた。【奥田伸一】