ザ・ローリング・ストーンズの名盤『スティール・ホイールズ』など全23作をジャケ・ドローが腕時計に! 結成60周年記念コラボウオッチを仕掛けたインド人実業家に取材
「ミックとは常に連絡を取り合う仲で、彼と話しているときに『60周年を迎えるにあたって歴史に残るスペシャルアイテムを作ろう』というアイデアが出ました。ちょうど同じ頃に、私はジャケ・ドローからビジネスパートナー要請を受けていたので、双方に私の考えを伝えてプロジェクトが始まったのです。ひとつ重要なこととして『時間を知るにはスマートフォンがあればいい。それよりも、バンドのDNAの象徴となるデザインが必要だ』と考えていました。今までにもロゴをコピーアンドペーストしたようなコラボレーションはありましたが、決してそのようなものでは満足できなかったのです。つまり、今回のプロジェクトは決して妥協を許さない、史上最高のロック・バンドを表現しなければならなかったという事です。その点においてジャケ・ドローは素晴らしいアトリエがあり、あらゆる技術を備えていることは以前から知っていました。ですから、こちらの考えを完璧に再現してくれると確信したのです。また、量産せず、1点ずつ作り上げていくという、他の工業製品とは一線を画すブランドのスタンスにも共感しました」 結果、ザ・ローリング・ストーンズが発表した作品のうち、23種類のアルバムのアートワークをオートマタウオッチに落とし込むという、およそ正気とは思えないプロジェクトがスタート。すでに多くのデザインがコンピューター上で出来上がり、コレクターへ向けて解禁すべく動いているという。 「もし自分の好きなバンドのアルバムをオーダーしたいという人がいたら、デザイン決定後から約8週間から10週間ほどで作り上げることができる段階です。今回、私が持ち込んだのは『スティール・ホイールズ』。1989年にリリースされたアルバムで、ワールドツアーも組まれました。このツアーでバンドは1990年に初めて日本でパフォーマンスを行ったのです。今回、私がここに来る前にスイスのジャケ・ドロー本社に立ち寄った際、『ヴードゥー・ラウンジ』(1994年リリースのアルバム)のタイムピースもありましたが、せっかく日本へ行くならば、ということでこちらを選びました」