サムライ債の活況続く、韓国輸出入銀とポーランドが計1621億円
(ブルームバーグ): 韓国輸出入銀行とポーランドが21日、合わせて1621億円のサムライ債を起債した。足元で日本企業の社債発行が減速する中、サムライ債が投資家需要の受け皿となっている。
韓国輸出入銀は3年債を含む3本立てで総額650億円を、ポーランドは3年から30年までの5本で総額971億円を起債した。サムライ債として14日のアフリカ輸出入銀行に続く起債で、ブルームバーグのデータによると、これで年初来の発行総額は1兆4250億円超と同じ期間として2019年以来の大きさになった。
日本銀行の追加利上げ観測がくすぶる中、低金利のうちに資金を確保したい発行体の思惑がサムライ債市場の活況につながっている。日本企業の円建て起債額は10月以降、金利の先高観から年前半に前倒しで起債した反動もあって6年ぶりの低水準に減っており、相次ぐサムライ債は運用先を求める投資家需要にも合致した。
韓国輸出入銀は5年債のスプレッド(上乗せ金利)が29ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に決まり、23年9月に韓国政府が発行した5年サムライ債の33bpを下回った。利率は1.065%と国内社債と比べてなお高いが、スプレッド縮小の傾向も見られ始めた。国内では21日、ムーディーズの格付けが韓国輸出入銀よりも低いホンダファイナンスが5年債を利率0.989%で起債した。
りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは、サムライ債は一般的に「利回りが比較的高く、運用者にとってメリットがある」と述べた。
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Takahiko Hyuga