もしかして難聴かも?「聞こえ」を”指”を使って簡単にチェックする方法を専門家が伝授
「聞こえにくくなっていることに本人はなかなか気づかないもの。自分では聞こえると思っていても、周囲が大きな声で話すなど気を配っているかもしれません」と、認定補聴器技能者の田中智子さん。補聴器を検討するタイミングとは? 何を基準に「聞こえにくい」状態と判断されるのか、確認してみましょう! 【画像】指を使って簡単にできる「聞こえ」のチェック方法をイラストで確認!
教えてくれた人
認定補聴器技能者・田中智子さん うぐいす補聴器代表。大手補聴器メーカー在籍中に経営学修士(MBA) を取得。訪問診療を行うクリニックの事務長を務めた後、主要メーカーの補聴器を試せる補聴器専門店・うぐいす補聴器を開業。講演会や執筆なども手がける。https://uguisu.co.jp/
補聴器の装着を検討するのはいつなのか?
補聴器が必要かどうかを判断するのは、ご自身の聴力がどの程度なのか、日常生活に支障があるレベルなのか、「聞こえ」のチェックをすることから始めます。 まず思い浮かぶのが、健康診断の「聴力検査」ではないでしょうか。健康診断には、主に自治体が実施するものと、ご本人がお勤めの会社を通じて行なうものがあります。会社員が受ける健康診断には、一般的に「雇い入れ時の健康診断」と「定期健康診断」の2種類あり、様々な検査項目があります。中でも、どの年齢でも受けなければならない重要な検査項目のひとつに「聴力検査」があります。この聴力検査では、左右の耳の音を聞き取る能力を調べ、日常生活に支障がないかどうかを確認します。
加齢で高い音から聞き取りにくくなる
検査における音の基準は、音の高さ(周波数、単位:Hz・ヘルツ)、音の強さや大きさ(音圧、単位dB・デシベル)で表します。 健康診断での聴力検査では、ピアノの真ん中のドの音と同じくらいの音(1000 Hz)と、鳥のさえずりのような高い音(4000 Hz)の2種類の音の高さを、30~40dBという小さな音の大きさで聞き取れるかを調べます。 多くの場合、加齢によって高くて小さな音から聞こえにくくなってきます。これを加齢性難聴と呼び、30~40代から始まるとも言われています。長い年月をかけ、徐々に聴力が悪くなっていくのが特徴です。気がついたときには、鳥のさえずりや蚊が飛ぶ音など若い頃には聞こえていた音が聞こえなくなっているということも。 健康診断の聴力検査で「所見あり」となったら、聞こえに問題が起こっているのかもしれません。耳鼻咽喉科を受診し、詳細の聴力検査をし、どのくらい悪くなっているのか、必要な治療や対処法があるのか、補聴器を使った方がいいのかどうかなどを相談してみるといいでしょう。 また、検査方法によっては、聴力検査において「会話法聴力」という方法を取り入れている場合もあります。これは、医師との間で会話をしながら、自然に聴力検査を行なうものです。医師と診察中に会話のやりとりをして、日常会話として支障がなければ「異常なし」と判断され、会話が成立しない・しにくいなど支障があれば、「難聴の疑いあり」となります。