もしかして難聴かも?「聞こえ」を”指”を使って簡単にチェックする方法を専門家が伝授
簡単なセルフチェック法「耳元で指をこすり合わせる」
今すぐ簡単に確認できる方法として、聞こえの状態をご自分で簡単にチェックするには、耳元で乾いた親指と人さし指の先を、軽くカサカサとこすり合わせてみる方法もあります。
簡単にできる「聞こえ」のCheck
指をこする“カサカサ”という音が聞こえない場合、聞こえにくくなっている可能性が高いです。これは目安なので、正しい検査は医療機関で調べてもらいましょう。聞こえにくさがどの程度なのか、補聴器をつけるかどうかは、医師と相談しながら判断していくことが大切です。 場合によっては、補聴器以外の対処法もあるかもしれません。この方法で聞こえなかったかたが、耳鼻咽喉科を受診したら、耳垢がたくさん詰まっていて聞こえにくかった!ということもありました。 補聴器を具体的に検討するという段階になったら、補聴器専門店でも聴力測定を実施していますし、補聴器を実際につけてみて、つけたあとの聞こえはどんなものかを体験することもできます。
聴こえ8030運動「80才で30dBの聴力を保とう!」
健康長寿のためには「歯」が大切。日本歯科医師会で推進している「80才で20本以上自分の歯を保つ」ことを目標にした【8020運動】は、よく知られるようになりました。実は、健康寿命のために「聴力」の大切さを啓蒙する運動も始まっています。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、「80才で30dBの聴力(または補聴器をした状態で30dBの聴力)を保つ」ことを目標にした【聴こえ8030運動】を推進しています。 ちなみに、30dBとは、ささやき声や、紙に鉛筆で書いているときの音、静かな図書館の中で過ごしているときの周りの音などの音の大きさと言われています。 「聴こえ8030運動」 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「聴こえ8030運動」 セルフチェック https://kikoe8030.jibika.or.jp ウェブサイトでは、簡単な聴力チェックができますので気になるかたはぜひ試してみてください。 *** 本人が気づかないうちに聴力の低下は進んでいて、家族のほうが先に「おかしいな」と気がつくことは多いもの。「そんなことはない」「まだ大丈夫だ」と思うかもしれませんが、知らず知らずのうちにコミュニケーションが減ったり、生活の中で困りごとが出てきているかもしれません。おかしいなと思ったら耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。 「あなたの視力はどのくらいですか?」と聞くと、多くの方は「1.2です」とか「0.2です」とか答えられると思います。そして、それを聞いたら、「それは視力がいいですね」とか「かなり悪いですね、日常生活は眼鏡なしではできませんね」など、その数値がどのくらいかをイメージとして持つこともできると思います。 でも、現状、「私の聴力は50dBです」と言われて、それが、いいのか悪いのかを判断できる人は少ないと思います。8030運動が始まったように、まずは、ご自身や家族の「聴力はどのくらいか?」を知ることから始めましょう。 そのためには、今回ご紹介した「指こすりチェック」「体温計などの高音が聞こえているか」「テレビの音量が大きくなっていないか」など、日常生活の中でご自身や家族の聞こえについて意識的に過ごすことから始め、おかしいなと思ったら、耳鼻咽喉科へ受診してみてほしいと思います。 ★うぐいす智子先生のワインポイントアドバイス! 加齢により高い音から聞き取りにくくなります。まずは自分や家族の聞こえ具合を知ることから始めましょう! 取材・文/立花加久 イラスト/奥川りな