NTT DX、生成AIが新商品アイデアを生み出す「架空商品モール」
NTT DXパートナーは、生活者の「あったらいいな」をもとに生成AIが新商品アイデアを生み出す「架空商品モール」を、メーカー向けに12月16日から提供する。 【この記事に関する別の画像を見る】 架空商品モールは、「生成AIがメーカーの技術力と生活者のニーズを組み合わせて独自の商品アイデア(架空商品)を提案する機能」と、「どの架空商品にどれだけの賛同が得られるかを可視化する機能」をもつ新商品開発プラットフォーム。誰もが架空商品を作ることができる“商品開発の民主化”プラットフォームとして生活者の体験価値を創り、メーカーや商品へのエンゲージメントを高めることで、商品開発前から多くのファン候補を集められるとしている。 NTT DXパートナーが「DX」の切り口でメーカーの事業支援をする中で、「社内起点のため出るアイデアの量が少ない」「アイデアに既視感があり、実現性に縛られる」「アイデア創出までに時間がかかる」など、新商品開発に課題を感じている企業も多いという。課題解決に向けた新たな取り組みとして、8月から「新商品プロデュース事業」を開始し、架空商品モールの先行公開も実施している。 架空商品モールの機能は「AI学習機能」「AIチャット機能」「テストマーケティング機能」の3つ。 AI学習機能では、メーカーの技術力や特許をAIに事前に学習させることにより、技術力/特許を活用したアイデアを生み出せるとしている。 AIチャット機能は「生活者のよくある悩み」と「AI」を掛け合わせ、社内だけでアイデアを考えるよりも新規性の高い架空商品を数多く生み出せるという。 テストマーケティング機能では、生み出された架空商品のどれに多くの“欲しい”が集まるのかをランキング形式などで検証できる。この結果をもとに商品化の検討ができるため、需要予測が立てやすくなる。 架空商品モールの主な構成は「トップページ」「メーカーのキャンペーンページ」「チャットボット」「メーカーごとのコンテンツ管理ページ」の4つ。 トップページではメーカーからのアイデア募集告知や生活者から投稿されたアイデア(新着・ランキング)などを掲載する。 キャンペーンページでは、メーカーが自社の紹介や生活者に作ってほしい商品ジャンル・アイデア、開発にかける思いなどを掲載し、アイデアを募集する。メーカーのアイデア募集に対して、生活者が生成AIチャットボットを活用してアイデアを生み出す。 コンテンツ管理ページはキャンペーンページ制作や管理などに使用する。 架空商品モールに参加した生活者に対するインセンティブも用意。投稿されたアイデアの中からメーカーが決定した1位~3位にAmazon ギフトカード5万円分、3万円分、1万円分をプレゼントするほか、アイデアの投票や商品開発会議への参加に対しても条件によりAmazon ギフトカードを提供する。 先行検証として9月から、架空商品モールの一部機能を使ってアイデアを生み出すワークショップをメーカー5社と開催し、生活者計約100名にAIを活用した架空商品生成を体験する機会を提供した。 そこで生み出されたアイデアは計245個に上り、生活者の声×生成AI活用によるアイデアの「目新しさ・幅広さ」と、半日で数多くのアイデアが生まれる「即効性」が確認されたという。メトロ電気工業は、ワークショップで生まれた新商品アイデアの知的財産権を取得し、商品開発に向けた検討を開始している。 提供プランは「トライアルプラン」「研修プラン」「総選挙プラン」「企画会議プラン」の4つ。 トライアルプランは、生成AIチャットボットを活用したメーカー社内向け商品開発の体験プラン。料金は25万円/2週間で、社内最大100アイデアまで。 研修プランは、メーカー社内で商品開発会議をワークショップ形式で実施するプラン。料金は60万円~/回。 総選挙プランは、生活者から架空商品を募り、代表的な商品を選定のうえ、架空商品モールサイト上やXなどでの生活者による総選挙で需要検証まで実施するプラン。料金は90万円~/回で、2025年1月末まではキャンペーン価格の50万円~/回で提供する。 企画会議プランは、生活者を集めて商品開発会議をワークショップ形式で実施し、代表的な商品を選定のうえ生活者による総選挙で需要検証まで実施するプラン。180万円~/回で、2025年1月末まではキャンペーン価格の150万円~/回で提供する。 生成されたアイデアの知的財産権は、トライアルプラン、研修プランの場合はメーカー帰属、総選挙プラン、企画会議プランの場合はNTT DXパートナー帰属となる。総選挙プラン、企画会議プランで生成されたアイデアの知的財産権をメーカー帰属にする場合は、別途費用が発生する。メーカーが希望する3アイデアまで50万円。
Impress Watch,加藤綾