〝小学1年からライバル〟坂本勇人&田中将大が巨人で共闘 恩師は「坂本も大人になったなぁ」
【球界ここだけの話】昆陽里(こやのさと)の名コンビが復活する。昨年12月、楽天を退団した田中将大投手(36)の巨人入りが決まった。野球ファンの注目を集めたのは運命的な再会。兵庫・伊丹市の少年野球チーム「昆陽里(こやのさと)タイガース」で6年間ともに戦い、小中学校の同級生だった坂本勇人内野手(36)との共闘だ。 【写真】小学校の卒業アルバム写真に写る田中将大と坂本勇人 2人は小学1年時、ほぼ同時期に入団。6年時は坂本がエース、田中将が捕手で県大会準優勝に導いた。当時チームの監督で、現在は理事長の山崎三孝さん(79)は「昔はお互いに負けへんで! という感じで張り合っていました。仲良く話していたような記憶はないから、ライバルという関係でしたね」と懐かしむ。地元の知人が「やんちゃな勇人」と「真面目な田中」と口をそろえる対照的な2人は、打撃練習で左翼方向にある校舎に向かって放つ打球の飛距離、遠投、練習後にグラウンドを横断する約500メートルの競走など常に火花を散らした。試合になれば、ともに中心選手としてチームを引っ張った。 中学以降は別々のチームで腕を磨き、坂本は巨人の中心で、田中将はヤンキースの主戦投手も経験しながら実績を積んだ。2021年の東京五輪では侍ジャパンで共闘し、37歳になる25年は再び仲間となる。田中将は入団会見で「想像もしていなかった。うれしく思います」と話し、前夜に電話で「よろしくお願いします、いろいろ教えてください」、「分からないことあったら聞いてな」とやり取りを交わしたことを明かした。田中将の入団決定後、坂本は「同じチームで野球を始めて、この年でまた一緒になる。こんなことあるんやなって。将大は200近くも勝っている本当にすごいピッチャー。素直にうれしい気持ちになった」と幼なじみとの縁に感慨深げだった。 山崎さんは田中将や坂本の言葉を聞き、「坂本も大人になったなぁ。プロの世界で揉まれて角が取れたんかな」と目を細めた。「坂本は仲間をまとめるのがうまいし、田中をうまくリードしてほしい。2人で一緒にお立ち台に立つような光景が見たいですね」と教え子たちの活躍を夢見ている。(谷川直之)