ニュースタイルで完全復活! 巨人・菅野智之が明かす制球力の秘訣は「とにかく内野ノックをたくさん受けること」【前編】
■手応えをつかんだストレート お股 逆にストレートに関しては、昨季後半戦で最速155キロを記録するなど、手応えがあったのではないでしょうか? 個人的には、9月16日のバンテリンドームでの中日戦、ピンチの場面で岡林(勇希)選手に対して、154キロのアウトハイのストレートで空振り三振を奪ったシーンが印象的でした。球速だけでなく、強度も上がっているなと感じました。 菅野 そうですね。単純なスピードではなく、強いボールだったと思います。上手くバットに当ててくる岡林選手に対して、あの場面でストレートで空振りが奪えたのは価値がありました。投球の幅が広がるなと思いましたね。 お股 前半戦は変化球の調子が悪かったものの、後半戦はストレートに手ごたえをつかんだ昨季でしたが、その流れでオフのハワイ自主トレでは、ストレートがライジング気味に浮くようになったとか。 菅野 副産物に近いですね。肩回りのトレーニングやエクササイズを行なう中で、上からボールを叩くイメージができた結果、そういう球質になってきたのかなと思います。 お股 菅野投手の場合、回転効率を80~90%くらいに抑えつつ、指に掛けると一番伸びるのかなと思います。 菅野 さすがですね(笑)。まさにそうです。 お股 菅野投手は球団公式YouTubeで披露した〝球速当て〟が有名ですが、今度は「回転効率〇%」という感じで宣言して投げてほしいですね。それくらいの再現性を持たれている方だと思うので。 菅野 去年、そういうことも試したんです。真っすぐの回転効率を上げようとして、実際に数値も良くなったんですけど、逆にほかの変化球がストレートに寄ってしまって。カットボールの変化量が小さくなってしまったんです。 お股 球速が上がると、これまでよりも変化球の変化量が小さくなってしまう、という投手の方は多いんですよね。 ストレートが良くなるということは手のひらが前を向き、ボールもライジング気味になるので、変化球はこれまでよりも気持ち大きく変化させる意識で投げると、すべての球種が良くなるのかなと思いますね。 菅野 僕の場合、変化球はどれも感覚が違うんですよね。変化球もストレートと同じ感覚という投手もけっこういますけど、僕はそうじゃなくて。 お股 球種ごとにすべてが独立しているわけですね。理論的にはそれが正しいと思います。 菅野 だからこそ、全部の球種がいいという日はないんですよね。