フォーミュラE、プレシーズンテストでの女性ドライバー起用を義務化。最大22名が参加へ
10月1日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権は、11月4日(月)から7日(木)にかけてスペインのバレンシア・サーキットで実施する予定の公式プレシーズンテストにて、女性ドライバーのみが出走するテストセッションを実施すると発表した。 【写真】ERTフォーミュラEチームからベルリンでのルーキーテストに参加したマルタ・ガルシア 電動のフォーミュラマシンで競われる選手権のフォーミュラEは、あらたにGEN3 EVOを導入する予定のシーズン11を迎えるにあたり、初めての試みを行うこととなった。バレンシアで行われるのが恒例となっているプレシーズンテストにて、各チームはテスト最終日の半日分のセッションで少なくとも1人の女性ドライバーを出場させることが義務化されたのだ。 この試みでは、チームはふたりの女性ドライバーを出走させることが推奨されており、参加する全員がGEN3 EVOに乗って自身の才能を示すチャンスを得ることができる。 フォーミュラEはこの試みについて、「女性全員が同時にコースに出るこのセッションは、このフォーミュラEレベルのマシンを運転する機会をこれまで得られなかったエリートドライバーにとって、具体的なプラットフォームとなり得る。このテストは、女性たちに目的地を提供するだけでなく、現在のテクノロジーを最大限に活用して、キャリアとスキルを伸ばしていく道筋を提供することも目的としている」としている。 各選手はバレンシアのレーストラックにいる間、フォーミュラEとそれぞれのチームを代表して、記者会見やメディア・ブリーフィング、各インタビューやソーシャルメディア用コンテンツの撮影など、さまざまなメディア対応に参加する。 これは、モータースポーツで働くことを目指す人々にとって、彼女たちの知名度を高めることを目的とした試みであり、テストに参加する女性ドライバーの全ラインアップは、今後数週間のうちに各フォーミュラEチームから発表される予定だという。 さらにフォーミュラEは、ジェンダー平等を推進し、女性がモータースポーツに参入する道筋を支援するという継続的な長期的取り組みの一環として、FIAガールズ・オン・トラックについても取り組みを拡張していくことも発表した。 このプログラムへの参加者には、モータースポーツ全般にわたるキャリアの加速を目的としたワークショップに参加しながら、女性レーシングドライバーの走行を見学したり、実際に選手らと交流する機会が与えられるという。 フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズ氏は、「すべての条件を同じにする必要がある」と新たな試みについてコメントしている。 「モータースポーツの多様性を高めるための簡単な解決策がないことはわかっている。ただ、シリーズ全体において、女性に本当の平等、機会、認知度を与えるならば、彼女たちの成長を助け、すでにスターティンググリッドにいる人たちと競い合うためにも、すべての条件を同じにする必要がある」 「女性ドライバーが古いマシンや制限されたマシンを使用しなければならない他のシリーズとは異なり、女性たちは、チャンピオンシップドライバーと同じように、F1マシンよりも30%速い加速力を持つ最先端のGEN3 Evoマシンを使用する」 「1回のテストで長年の問題が解決するわけではないことも認識しているが、どこかから始めなければならない。道のりは長いということを認識し、前進し続けるための積極的かつ一貫したステップを確実に踏んでいく必要があるだろう」 フォーミュラEには唯一の日本チームとしてニッサン・フォーミュラEチームが参戦を続けており、シーズン11からはヤマハ発動機もパワーユニット・マニュファクチャラーとして参戦を開始する。そのため、日本のチームから日本人女性ドライバーが出走するチャンスにも期待したいところだ。 [オートスポーツweb 2024年10月03日]