<CSファイナル展望>ロッテは黄金イヤーの法則でソフトバンクに勝てるか?
里崎氏は、「短期決戦は、レギュラーシーズンのデータは一切関係ない」と言う。 「ポイントは3点あります。第1戦を取れるか。柳田は、どんな状態で戻ってくるのか。先発がどれだけゲームを作れるのか。特に試合勘のないソフトバンクを第1戦で押さえ込むと、勢いと流れがロッテに出てきます。1勝のハンディも、初戦をとると立場は互角に変わります。ソフトバンクがどうローテを組んでくるのかわかりませんが、武田と攝津の2人にロッテは相性が良く苦手意識はありません。 ロッテは、CSより最多勝タイトルを優先させた涌井が、ファイナルでは1試合しか使えないことがどう響くか? でしょう。中継ぎはがんばっているし、怪我をした西野の代役を任されている内は、故障さえなければ、12球団一のストッパーになれる能力を持ったピッチャーです。ロッテも、先発の出来次第。いずれにしろ初戦がカギです。あくまでも個人的な願望ですが、頼れるベテランに勢いがあるロッテに可能性はあると見ています」 ロッテ戦で死球を受けて左膝裏と首を痛め出場が不安視されていた柳田は、12日の紅白戦でDHで復帰するなど、ギリギリ間に合いそうなムード。ただ、武田の対ロッテの防御率は、7.16(1勝2敗)、摂津も対ロッテに防御率、1.82と打たれてはいないが、1勝4敗と黒星が3つも先行して苦手意識はある。優勝を決めた後の9月27日のロッテ戦から6連敗するなど、チーム状態が下降線に入っていたことも気になる。しかも、8日間も公式戦から遠ざかっているため試合勘についても心配だ。 一方のロッテは大嶺が先陣を切るが、緊迫のゲームで、今季の力を出せるかどうか。12日の対日ハム第3戦で、143球の熱投を演じた涌井が、中4日だとしても第4戦まで使えず、ファイナルの軸にならないのもマイナス材料。福浦、今江らが口を揃える「失うものはない。楽しめばいいと思っている」というメンタリティが、それらの不安材料をふっとばすような勢いに変われば、下克上も不可能ではないのかもしれない。 ちなみにロッテファンの間では、里崎氏が、昨年オフにテレビ番組で語った「2015年の日本シリーズは、ヤクルト対ロッテになる」という予想発言が話題になっているそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)