マイクロソフトのAIアシスタント「Copilot」はわかりにくい? 無料版と有料版の違いとは
人と会話するような自然な文章で質問や相談をすると、AI(人工知能)が適切に回答してくれる――。そんなチャットAIが次々と登場し、社会変革を起こしつつある。膨大な情報を学習して自ら文章や画像などを生成できることから、「生成AI」と呼ばれる。米国のベンチャーOpenAIが開発した「ChatGPT」が代表格だが、マイクロソフトも2023年2月には検索サービス「Bing」の一機能として提供を開始。同年9月には「Copilot(コパイロット)」の総称で本格展開を開始し、Windows 11の新機能として「Copilot in Windows」を追加したり、WordやExcelなどで使える「Copilot for Microsoft 365」をリリースしたりと、矢継ぎ早に製品を投入している(図1)。 「Copilot」は英語で“副操縦士”のこと。ユーザーがパソコンを操作したり、課題を解決したりするのを隣で支援する“AIアシスタント”の役目を果たすという意味の名称だ。マイクロソフトはCopilotを同社の製品やサービスに幅広く展開し、中核事業にする方針。同社のサティア・ナデラCEOは、「マイクロソフトはCopilotカンパニーだ。将来は、誰が何をするときでも、そこにCopilotがいるようになると確信している」と鼻息が荒い。 ところが、Copilotの製品構成は意外とわかりにくい。ウェブ上で利用するもの、Windowsに搭載されたもの、Officeアプリで使えるものなど多彩なうえ、無料版と有料版とがあり、何が違うのかも見えにくい。本稿では、Copilotの製品構成や無料版と有料版の違いについて解説する。まずは全体像を把握して、活用の入り口としていただきたい。 ※日経PC21発行のムック『Microsoft Copilot AI活用入門』(日経BP)より
日常生活でもビジネスでもいろいろ頼れる“副操縦士”
Copilotの中には、開発者やIT管理者に向けた製品もあるが、一般のパソコンユーザーが普段から利用できるものとして、ウェブサイトやブラウザーのEdge、そしてWindows 11で使えるCopilotがある。これらは無料で使えるので、まずはこれらを使って実力を体感するとよい。 一方、有料で提供されているのが、WordやExcel、PowerPointといったOfficeアプリ向けのCopilot。この有料版では、文書やスライド、メールの作成、データ分析など、各アプリに特化した機能が追加されていて、業務の効率化や生産性の向上が大いに期待できる(図2)。