早期の膵臓がんを血中酵素の活性異常で発見 東大などが検査法開発
国立がん研究センターが昨年3月に発表した「がん5年生存率」(2014~15年に診断された5年後の生存率)はがん全体では66.2%だったのに対し、膵臓がんは12.7%と小細胞肺がんの11.5%と並んで目立って低い。「がん統計」によると、19年に膵臓がんと診断された人はのべ4万3865人で、20年の死者は3万7677人。政府が昨年3月に閣議決定した「第4期がん対策推進基本計画」でも膵臓がんなどの難治がん対策を重点施策の一つに掲げている。
小松助教らの研究グループは「これまで膵臓がんの早期診断は難しく、早期発見できるバイオマーカー開発が待たれていたが、今回開発した検査方法は膵臓がんの状態変化を反映できるバイオマーカー候補の発見につながった」とし、今後は実用化に向けた取り組みを進める方針という。研究成果は1月12日に米科学誌「セル・リポーツ・メソッズ」電子版に掲載された。