村尾三四郎

　「パリ五輪・柔道男子９０キロ級・準々決勝」’（３１日、シャンドマルス・アリーナ） 　村尾三四郎（ＪＥＳグループ）は、ＵＡＥのグリゴリアンと対戦。相手の反則勝ちで準決勝に進出し、メダル獲得に王手をかけた。 　いきなり強烈な足技で会場を沸かせた村尾。相手が寝技を仕掛けてこようとしても、体幹の力を発揮して動じなかった。直後、相手が出血したため試合は中断。流れが変わるタイミングでも落ち着いて相手をいなし、隙を突いて投げ技を繰り出し一本勝ちの判定が下った。 　しかし直後にビデオ判定が行われ、一本が取り消される事態に。技ありもなしとなった。それでも気持ちを切り替えて積極的に相手を押し切り、最後は反則勝ちで勝ち上がった。 　１回戦では開始４４秒で大外刈りを決めて一本勝ち。スピード感溢れる動きで相手を圧倒し、疲労感を残すことなく勝ち上がっていた。準決勝ではフランスのヌガヤプハンボと対戦することが決まった。 　２３年５月の世界選手権では準決勝で敗れたものの、３位決定戦を制して銅メダルを獲得。同年８月に世界選手権などでの実績を評価され、パリ五輪代表へ選ばれた。 　２月のグラウンドスラム（ＧＳ）パリ大会では初戦敗退などもあったが、４月のＧＳアンタルヤ大会に優勝して復調をアピール。「五輪につながる大会になった」と手応えを得ていた。 　◆村尾三四郎（むらお・さんしろう）２０００年８月２８日、米国出身。２歳から日本に移り住み、桐蔭学園高を経て東海大へ進学。２１年のグランドスラム（ＧＳ）カザン大会で初優勝。同年６月の世界選手権代表にも選出された。２３年の世界選手権で銅メダルを獲得するなどの実績を評価されて同年６月にパリ五輪代表に内定。身長１８０センチ、９０キロ。