1-3月の設備投資は伸び縮小、GDPのマイナス変わらずとの見方
(ブルームバーグ): 1-3月期の国内企業の設備投資は前期から伸び率が縮小した。来週発表される国内総生産(GDP)改定値はマイナス成長で変わらないとの見方が出ている。
財務省が3日発表した法人企業統計(速報値)によると、設備投資は全産業(金融・保険を除く)で前年同期比6.8%増だった。12四半期連続のプラスだが、市場予想の11%増を下回った。前期は16.4%増。10日発表のGDP改定値に反映されるソフトウエア除くベースでも同6.8%増と前期の伸びを下回った。前期比では0.5%減だった。
認証不正問題に伴う一部自動車メーカーの大幅減産を背景に個人消費や設備投資、輸出が停滞し、1-3月期の実質GDPは速報段階で2四半期ぶりのマイナスとなった。今回の結果を受けてもマイナス成長は変わらないとみられ、日本経済の先行き不透明感を示唆している。
農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「10ー12月期にかなり強い数字が出てきたのでその反動で下がっている」と分析している。国内消費が弱いために積極的に投資しにくい状況にあるとも指摘し、GDP改定値については「設備投資のマイナスが深くなるだろうし、全体はマイナス成長という結果に変わりはないと予想する」と語った。
一方、大和総研の岸川和馬エコノミストは1-3月期の実質GDP(前期比0.5%減)は変わらずないしは0.4%減程度になると予想した。民間企業の設備投資は速報値とほぼ変わらないものの、「在庫や公的固定資本形成が押し上げ要因になる」との見方を示した。
製造業では生産体制の強化で輸送用機械と食料品が増加。非製造業では駅や空港関連施設整備で運輸業・郵便業、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連でサービス業が伸びた。一方で情報通信業は4期ぶりにマイナスに転じた。
1-3月期の全産業の経常利益は前年同期比15.1%増と、5期連続で増加した。市場予想は8.3%増が見込まれていた。売上高は前年同期比2.3%増と、12期連続のプラスとなった。