26日、テレビで停戦合意を表明するイスラエルのネタニヤフ首相（同国政府提供・AP）

【カイロ＝佐藤貴生】イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、両国政府の間で停戦が発効した27日、レバノン軍は合意に基づいて同国南部に展開を始めたと発表した。一方、イスラエル軍はレバノンの民間人に対し、これまでに避難勧告を出した南部の村への帰還は禁止するとし、注意を促した。停戦発効で多数の避難民が自宅に戻ろうと南部方面に向かっている。 【写真】レバノン・ベイルートで、イスラエル軍の空爆発表を受け避難する人々 停戦はおおむね順守されているもようだが、イスラエル軍は南部で兵士に近寄ってきた不審な4人の身柄を拘束した。ヒズボラのメンバーの疑いもあるとして調べている。 合意によると、60日間の停戦期間中にイスラエル軍はレバノン南部から段階的に撤収し、ヒズボラは南部を流れるリタニ川以北へと撤収する。レバノン軍はリタニ川より南側に展開し、停戦監視に当たる。 ロイター通信によると、ヒズボラは27日、停戦発効後初の声明を出し、イスラエルへの抵抗活動とパレスチナ人の支援を続けると述べた。戦闘員は臨戦態勢を維持しながらイスラエル軍のレバノン南部からの撤収を監視するとも述べた。