米FRB、利下げ先送り示唆の見通し-6会合連続で金利据え置きへ
その上で、「一段とタカ派的な方向性としては、議長が利下げゼロの可能性を示唆するか、利上げも検討の対象となるかもしれないとほのめかすことも考えられるが、現時点の基本シナリオではない」と説明した。
FOMC声明
米金融当局者は会合後に発表するFOMC声明の最初の段落を調整し、インフレ抑制の進展が1-3月に滞ったことを認めるかもしれない。当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数のうち、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は3月に前月比0.3%上昇、前年同月比2.8%上昇と2月と同じ伸びとなり、3カ月連続で予想を上回った。
米PCEコア価格指数、3月は前年比2.8%上昇-インフレ圧力続く
モルガン・スタンレーの米国担当チーフエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「声明に記すことで感嘆符を付けることになる」と述べるとともに、「前年比で見たインフレ率にはかなりの改善があったものの、最近の数カ月には鈍化ないし停滞した」と話した。
それでもゼントナー氏は、次の金利の動きは引き下げだとする趣旨の声明のガイダンスへの変更は予想していない。
バランスシート
FOMCは7兆4000億ドル(約1167兆円)に上るバランスシートを圧縮する量的引き締め(QT)と呼ばれるプログラムについて、ペースを落とす計画を発表する可能性がある。
3月19、20両日に開かれた前回のFOMC会合議事要旨では、「かなり早い時期に」圧縮ペースをほぼ半減することに当局者の「全般的な支持」があったとしている。
反対票
今回の会合での反対票は見込まれていない。一部の当局者は利下げへの消極姿勢を他の当局者よりも鮮明にしているが、5月1日の声明の文言というよりも、将来的に利下げすることになった場合の決定時に反対票を投じる公算が大きい。
記者会見
パウエル議長は記者会見で6月の利下げの可能性はないと認める可能性がある。ただ、重要な分析の対象となるのは年内利下げの可能性を巡る議長発言だろう。